北海道・日高のえりも町の港に5月19日から大量のイワシが漂着し、関係者が回収作業に追われた。
イワシの大群が港で確認される
びっしりと海面を覆いつくす魚の大群。
日高のえりも町で、5月19日朝、港の中に大漁のイワシが浮かんでいるのを地元の漁業関係者が発見した。

「そこの港の角が一回入ったら出づらいような場所。大量に入ったら酸欠になって死んで浮いた状況だと思う」(漁業関係者)
堤防付近には体長20センチほどのマイワシの死骸が大量に漂っていて、漁業関係者が5月19日から回収作業にあたり、20日朝までに十数トンほどを回収。
今後、焼却処分する予定だ。

「6月ぐらいになるといいコンブがとれる。天気が悪い時は海につけて、いい時はあげて干す。そういう場所なので、大量漂着が何日も続くと影響がある」(漁業関係者)
函館市・小樽市などでも大量漂着が
北海道では、2023年の冬から2024年にかけてイワシの大量漂着が相次いでいる。

函館市では、2023年12月、海岸に大量のイワシが漂着し、大規模な回収作業が行われたが、その約2か月後、回収されず海中で死んだイワシのものとみられる大量の骨とウロコが、浜町の海岸を約400メートルに渡って埋めつくした。

小樽市銭函では2024年3月、海岸の少なくとも、5キロの範囲に大量のイワシが打ち上げられた。
さらに4月、留萌市や石狩湾新港でも大量のイワシが突如出現。

釣り人にはうれしい異変だが、一方で漁業への影響が心配されている。
北海道の海で何が?
相次ぐイワシの大量漂着、北海道の海で今、何が起こっているのだろうか。
「マイワシは水温10度以上を好む。秋から冬にかけて水温の低下とともに本来は南に行くが、水温が高めで居残ってしまい、南に帰れずに取り残された群れが弱って岸に寄せられて打ち上げられた」(中央水産試験場 山口 浩志 研究主幹)

「今回の太平洋の事例は、水温の上昇に伴って南から北に行く途中にちょうど襟裳岬が快適な水温だったのでそこにぶつかって、何らかの理由で港に入ったのではないか」(山口 研究主幹)

「(Q:漁に影響は?)港の外で、漁業の行われているところでイワシが死んでいるかは未確認なのでどういった影響があるかわからない」(山口 研究主幹)