避難時の注意点

土砂災害警戒情報や避難情報に注意し、実際に避難をする時には早めに行動することが何より大切だ。NPO法人「土砂災害防止広報センター」によると、避難時には次のような点に注意してほしいという。落ち着いて避難場所を目指そう。

NPO法人「土砂災害防止広報センター」HPより(イラストの著作権は同NPO法人に帰属します) 
NPO法人「土砂災害防止広報センター」HPより(イラストの著作権は同NPO法人に帰属します) 

・家を出るときはブレーカーを落とし、ガスの元栓を閉める。窓は鍵を閉めてカーテンを閉め、戸締まりをしっかりとする(火災の延焼や空き巣被害を防ぐため)
・1人では避難しない、特に子供は必ず大人と一緒に
・流れる水には近づかない。膝まで来ると歩けなくなる
・濁った水の中は深さが分からないので注意。その中を歩かざるを得ない時は、つえや傘をつきながら歩く
・雨が止んでも、突然水かさが増えることがある。その場合はしばらく待つ
・どうしても避難場所に行けない時は、近くの丈夫な建物の2階以上に避難。それも難しければ、家の中の一番安全な場所(2階や崖から一番遠い部屋など)に避難する

早めの避難のためには日頃から

早めの避難が大切だが、素早く安全に避難するためには、日頃から避難方法や避難場所について家族と話し合って決めておくことが必要だ。
事前にできる主なことは、以下の4つ。

1)避難場所の確認
2)家族の連絡先を決める
3)非常持ち出し袋の準備
4)(雨風が強くなる前に)家の外と中の備えを確認

ハザードマップは市町村の役所などでもらえるほか、市町村のホームページでも確認できる
ハザードマップは市町村の役所などでもらえるほか、市町村のホームページでも確認できる

【1)避難場所の確認】
土砂災害が起きそう・または起こった時の避難場所は、土砂災害のハザードマップで調べられる。事前に、大雨が降っている時などに安全に避難するにはどの道を通れば良さそうか、実際に歩いて確かめてみるとよい。

(前回記事はこちら:土石流・地すべり・崖崩れに“前触れ”はある?大雨の前に知っておくべき危険な場所と前兆現象

【2)家族の連絡先を決める】
災害が起きた時、家族が一緒にいるとは限らない。災害時には電話やメールがつながりにくくなる可能性があるため、家族がバラバラになった時のために、みんなが連絡をする場所を決めておく。

家族の携帯番号を控えておき、被災時にバラバラで避難した場合はお互いがどこに連絡をするのか・どの災害用伝言サービスを利用するのかなど、事前に決めておくことが大切だ(本資料の著作権はNPO法人土砂災害防止広報センターに帰属します)
家族の携帯番号を控えておき、被災時にバラバラで避難した場合はお互いがどこに連絡をするのか・どの災害用伝言サービスを利用するのかなど、事前に決めておくことが大切だ(本資料の著作権はNPO法人土砂災害防止広報センターに帰属します)

安否確認には以下のように、通信事業者や自治体などからたくさんのサービスが提供されている。事前に家族と相談して何を使うか決めておこう。また、災害時に慌てないよう、使い方を確認して試してみるのが重要だ。

NTTが提供する「災害用伝言ダイヤル」使用法(NTTのHPより)。事前に使い方を確認することも重要だ
NTTが提供する「災害用伝言ダイヤル」使用法(NTTのHPより)。事前に使い方を確認することも重要だ

・NTT「災害用伝言ダイヤル(171)」のほか、au(KDDI)、ソフトバンクなど各通信事業者が提供する災害用伝言サービス
・自治体の防災アプリ
・勤務先の安否確認システム
・遠くに住む親戚や友人など、大きな災害が起きても被害が及ばない場所に連絡先を決めておく