土砂災害は雨が降っている時だけでなく、雨がやんだ後に起こることもある。大雨の後は、何日か注意が必要だ。

土砂災害タイプ別の“前触れ”

前回記事で、土砂災害には主に「土石流」「地すべり」「崖崩れ」の3種類があることをお伝えした。

(前回記事はこちら:巻き込まれると即「命の危険」も…忘れてはいけない“土砂災害大国”日本での地形と気候がもたらすリスク

これらはどのような場所で起こりやすいのか、そして実際に起こる前にはどんな前触れがあるのかを、以下にまとめた。前兆現象に気付いたら、周りの人と声を掛け合い、いち早く安全な場所に避難することが大切だ。

1)土石流
山や谷の土砂が崩れ、水と混ざりながら、すごい勢いで山の下へと流れていく現象

【起こりやすい場所】
山から流れてくる傾きが急な川で、岸や上流に崩れやすい土砂がたくさんあるところ
※普段は水が流れていなくても、大雨が降ると急に流れが激しい川になるところもある
※谷の出口に大きな石がゴロゴロしているところは、前にも土石流が起こっていると考えられる

NPO法人「土砂災害防止広報センター」HPより(※イラスト著作権は同法人に帰属します)
NPO法人「土砂災害防止広報センター」HPより(※イラスト著作権は同法人に帰属します)

【主な前触れ】
・川の中で石がぶつかり合いゴロゴロという音がしたり、火花が見えたりする
・山全体がうなっているような音がしたり、地震のように震えたりする(山鳴り)
・「土の臭い」や「下水の臭い」、「腐敗臭」といった異常な臭いがする
・川の水が濁り、倒れた木が水と一緒に流れてくる
・雨は降り続いているのに、川の水が減る(土砂などにより、上流の水がせき止められているため。せき止めていた土砂が崩壊すると、一気に土石流として流れ落ちる)

川がせき止められた「河道閉塞」の例(奈良・十津川村 2011年 NPO法人「土砂災害防止広報センター」提供 ※画像著作権は同法人に帰属します)
川がせき止められた「河道閉塞」の例(奈良・十津川村 2011年 NPO法人「土砂災害防止広報センター」提供 ※画像著作権は同法人に帰属します)

もし巻き込まれそうになった場合、土石流が流れる方向(下向き)に逃げたら巻き込まれてしまう。すぐに川から離れて、高いところに逃げよう。