2024年秋に完成予定の愛媛・松山駅の新駅舎。県都・松山の玄関口として、どう変わるのか?そして、この新駅舎から「愛媛を売り込もう」と戦略を練る地元企業の動きなど、松山駅周辺の今を追った。
新駅舎建設でアクセスもスムーズに
愛媛県のJR松山駅。現在はレトロな雰囲気が特徴的だが、この後ろでは新しい駅舎の建設が進められている。構想から30年以上。今、JR松山駅の周辺が生まれ変わろうとしている。
この記事の画像(26枚)街の人にこれからの松山駅に期待することを聞くと、「明るくなったら。お店もできるから期待している」「愛媛の中心部・玄関だから。高松に負けんように発展したらいいと思うよ」などの声が上がった。
JR松山駅の周辺では、愛媛県が行う連続立体交差事業と松山市が行う周辺整備事業が行われている。このうち、連続立体交差事業で駅とその周辺の高架化が2024年秋に完了予定。
これに合わせて、今回新しくなるのが「駅舎」だ。今の駅舎の西側に建設中の新駅舎の1番のポイントは「西口の新設」だ。
愛媛県中予地方局 鉄道高架課・上松敏泰課長:
これまで西側からのアクセスがなかなかできない状況でしたが、高架化されることによって西側からのアクセスも可能になります。コンコースができることによって、人の往来が可能になります。店舗もそこに入ることになるので、今後にぎわい空間が形成されていくと考えています
これまでは東側にしか入り口が無かったが、新たに西側にも設けられ、コンコースで東西を通り抜けできるようになる。
にぎわい必至の駅ナカで愛媛グルメも
3月にその駅舎1階、コンコース周辺の商業エリアの詳細も発表された。明るい雰囲気で広々とした通路が特徴的で、延床面積約2100平方メートルに18店舗が入る予定となっている。
コンビニや土産店のほか、かまぼこ店や和菓子店といった地元の老舗に、松山で人気のチーズケーキ店や、コーヒースタンドなども出店予定だ。また飲食店も充実。地元発のラーメン店などのほか、県内初出店となる愛媛のグルメが楽しめるお店や、すし居酒屋も出店する。
にぎわいが期待される駅ナカへの出店に向け、各テナントも戦略をめぐらせている。
松山市に5店舗を構え、県内の農家直送の野菜などを使った弁当を提供する「オイシイオト」。出店する松山駅の店舗では、通勤・通学客もターゲットに弁当以外の商品にも力を入れたい考えだ。
オイシイオト・濱田桂右店長:
普段忙しい人、朝ごはん食べる時間ない人とかも、駅でぱっと買っていただいて、新しくサンドイッチとかも推していこうと思うので、そういうのも食べていただきたいと思います
電車に乗りながらでも簡単に食べられるサンドイッチに注目し、今後は松山駅限定のオリジナル商品の開発も検討しているという。
また、松山の玄関口への出店ということで地元の客だけでなく観光客の利用にも期待している。
オイシイオト・濱田桂右店長:
駅が新しくなるので、新しい人がいっぱい来てくれたら。地産地消と無農薬にこだわって作っているので、愛媛の食材のおいしさを知っていただきたいと思います
創業以来受け継がれてきた熟成ダレを使ったうなぎ料理が自慢の人気店「うなぎ小椋」も出店。小椋安明社長は、今回の出店に合わせた「新商品の開発」に意欲を見せている。
うなぎ小椋・小椋安明社長:
「駅弁スタイル」のうな重を今考えているところです
鉄道の旅の楽しみといえばやはり「駅弁」。そこで、買ってから3~4時間たってもおいしく食べられる工夫を凝らし、卵焼きや季節の野菜を使ったお総菜なども加えたうな重の販売を考えているそうだ。
うなぎ小椋・小椋安明社長:
JRを使うということは旅ですよね。旅って「食」だと思っています。県外の方、外国の方、色んな所から来るかと思います。そのためにも、「松山でおいしいものを食べたよ」と言っていただけるようなメニュー作りに取り組んでいきたい
18店舗が入居する予定の松山駅高架下の商業エリアのオープンは2024年秋の予定。
進化を続ける松山駅
高架化が完了し、新しい駅舎での営業が始まったあとも駅周辺の整備事業は続く。
2025年度には西口の駅前広場の工事がスタート。整備後はロータリーが設けられ、車の乗り降りも可能になる予定だ。
さらに、東口の駅前広場の工事が2026年度から始まる予定となっている。
路面電車の停留所が、よりJR側に近い場所に変更される計画もあるなど、駅周辺の風景は今後10年ほどをかけてガラっと変わりそうだ。
うなぎ小椋・小椋安明社長:
松山駅、みんなで作らないといけないと思います。みんなで協力して松山の人も商業エリアに入るスタッフ、ほかの店の人も、みんなで松山を盛り上げられたらいいなと思います
街の人たちの期待も高まる県都・松山の玄関口の再開発。JR松山駅周辺はさらなる進化へ目が離せない。
(テレビ愛媛)