愛媛・今治市の島で、地元の新鮮な魚介類を全国トップレベルのシェフが調理する特別なレストランが期間限定でオープンし、県外客らが新鮮な島の幸を堪能した。

“すご腕漁師”が新鮮な魚を提供

2日間限定で今治市伯方島のすし店を間借りし、4月2日にポップアップレストラン「虹吉」がオープンした。東京を中心に全国から18人の予約客が訪れ、瀬戸内海の新鮮な魚介類など地元の食材を生かした創作料理を堪能した。

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今治市宮窪町の漁師・藤本純一さん:
きのうの朝漁に出て獲って、一晩ここで休ませてそれから締めてます。こうやって落ち着かせて漁獲時に暴れたストレスを抜いてやることで、魚本来の味に戻してあげる。身のうまさや身の張りが変わってくる。

藤本純一さんは、今回のポップアップレストランを企画した一人だ。

今治市宮窪町の漁師・藤本純一さん:
タイは一つ1万8000円。

藤本さんは漁で獲った魚を神経締めし、直接出荷するスタイルで知られるすご腕漁師で、有名料理店のシェフからひっきりなしに注文が入る人気ぶり。そんな藤本さんの魚をより新鮮な状態で味わえるのが、今回のレストランの最大の魅力なのだ。

一流料理人が素材を生かして調理

東京・西麻布の人気フレンチ「蒼」のオーナーシェフ・峯村康資さんは、藤本さんが獲る魚にほれ込んだ料理人の一人だ。

西麻布「蒼」オーナーシェフ・峯村康資さん:
タコのうま味が米に移ってるんで、いきなりうまいんです。リゾット食べるからこっちの方がいいかなと思って。

一晩寝かせ、直前に締めた天然もののマダイやアカガイなど新鮮な魚介類を、一流料理人の腕で絶品の創作料理に仕上げていく。

提供されたコース料理10品の中でも、峯村シェフが日本トップのクオリティと絶賛する宮窪で獲れたアカガイを使った「冷製フェデリーニ」は、アカガイの磯の香りと甘みが感じられるここでしか食べられない冷製パスタだ。

西麻布「蒼」オーナーシェフ・峯村康資さん:
海から上がったばかりのアカガイにはそこにしかない風味があって、やっぱりここで作るのが一番アカガイもおいしいなと。

そして、何と言っても瀬戸内といえばタイ。メインディッシュの「スープ仕立てのマダイ」は、軽く火を入れた切り身に、獲れたてで臭みの少ないタイの骨でダシをとった白湯スープを注ぎ完成。藤本さんの神経締めの技と、峯村さんの素材を生かす技が光る逸品だ。

「おいしいのさらに上の料理に感謝」

参加した人は、「私は名古屋から来たんですけど、あり得ないほどおいしかったです」「『蒼』さんの料理って東京でも食べてるんですけど、もちろんそれもおいしいんですけど、やはり地元で食べる魚は最高ですね」と絶賛した。

西麻布「蒼」オーナーシェフ・峯村康資さん:
生産者が一番大変だと思います。この時間に合わせて締めてねとか。この時間に合わせて生かしてねと。ここでしかできない体験を料理の中で、ストーリーとか体験だけじゃなくて、それがクオリティが必ず高くて絶対においしいこと。それがきょうはできたなと思うので気持ちよかったです。

今治市宮窪町の漁師・藤本純一さん:
チームの一員なので一緒にこういうことをやっていこうと。僕の思うおいしいのさらに上の料理が出てきたので感謝ですね。

獲れたばかりの新鮮な素材を一流シェフが現地で調理する特別なレストランは、2024年7月にも開催される予定で、藤本さんは今後、レストランに宿泊施設を併設した「オーベルジュ」の建設を目指している。

(テレビ愛媛)

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