2023年の1年間で特殊詐欺の被害額を上回る約455億円の被害が出ているのが「SNS型投資・ロマンス詐欺」。アプリなどを通じて恋愛感情や親近感を抱かせ金銭をだまし取るもので、発覚や立証が難しいと言われている。投資の話を持ち掛けられたという長崎県内に住む女性がそのやりとりを語った。
マッチングアプリで知り合った男性
「普通に信じました。私がたまたまお金がなかったから投資の話に乗ることはできませんでしたけど、お金があったら私はその5万円を払っていました」と話すのは、テレビ長崎の取材に応じた長崎県内に住む50代後半の女性だ。
3月下旬、使い始めたばかりのマッチングアプリで「男性」を名乗る人物と知り合った。「出会う場所がない」と話す女性は、スマホのアプリで簡単に知り合うことができた。そのことについて「軽い気持ちだった」と振り返る。
心配してくれた彼から「投資」の話が
出会ってすぐにアプリは「退会」し、個別に連絡を取り合う関係となった。体調が悪くなると心配してくれる男性。そんなメッセージが続く中で、ある日「男性」は「投資」の話を持ち掛けてきた。
女性（50代）：
あなたは何も考えなくていいからね。30分、僕の言うことを聞いていたらお金がもうかるよと。「あなたを助けたい」という言葉に乗っかっていたと思いますね。
最初に投資の話が出てきたら驚いて引いてしまっただろうと振り返る。最初は共通の趣味や食べたい物など他愛のない会話だった。恋人同士の付き合い始めのやりとりがずっと続いたので信じていた。入院や治療が重なっていた女性は出資を断り、連絡を断ったと話す。
女性は「投資という言葉が出てきた時点で危険だということを伝えたい」と注意を訴えている。
特殊詐欺の被害総額を上回る「ロマンス詐欺」
警察庁は投資ブームなどを背景に被害が増えているSNSを使った投資詐欺や、恋愛感情を利用した「ロマンス詐欺」について、初めて被害状況を公表した。2023年の認知件数は3846件にのぼり、被害額は約455億2000万円と特殊詐欺の被害額を上回った。
警察は「SNSでの投資話を安易に信じないでほしい。少しでも疑問に思ったら家族や身の回りの人、警察に相談してほしい」と注意を呼び掛けている。
（テレビ長崎）
