台湾・台北市で行われた世界ジュニアフィギュアスケート選手権。
アイスダンス代表の“さらあつ”こと岸本彩良・田村篤彦組は、日本歴代最高位となる12位でこの世界ジュニアを終えた。
日本のアイスダンス界を率いる小松原美里・尊組に憧れる2人。
来季は結成3年目に突入する2人の素顔と来シーズンの意気込みを聞いた。
心がけたのは「楽しんで滑ること」
全日本ジュニアを勝ち上がり、世界ジュニアの切符を掴んだ“さらあつ”。
憧れの小松原美里・尊組と同じくカナダを拠点にしている2人。
時差ボケの影響が出ないよう、カナダ・モントリオールからバンクーバー経由で台湾へやってきたという。

世界ジュニアまでは、課題のパターンダンスと流れが生まれるようなスピード感を重点的に磨いてきた。
この大会の直前、日本のアイスダンス界では1枠の世界フィギュア代表権争いが四大陸選手権で行われていた。
2人は、日本勢の激しい代表争いに刺激を受けたという。

そして、世界ジュニア・リズムダンス当日。
リズムダンスは“ロボットダンス”を取り入れた、2人の魅力が詰まったプログラムだ。練習では、ツイズルがそろわず苦戦していたようだが本番はなんとか耐えた。
初めての大きな舞台に、かなりの緊張を感じていたようだが、2人は「楽しく滑ること」を心がけたという。

田村は「コールされる前、結構緊張していました。たくさんお客さんがいるのを見て、緊張も和らいできたのですごく頑張れました」と観客の存在が力になったと話す。
一方の岸本も「すごく緊張していた。でも日本の国旗をいっぱい見ることができて、元気につながって、パワーになりました」と振り返る。
そのリズムダンスは14位で終えた。

昨シーズンから継続のフリーダンスは、観客を楽しませる要素が散りばめられたプログラムだ。
世界ジュニアでもキレキレの演技をみせると、“さらあつ”だからこその世界が、会場を包みこむ。

このフリーダンスの見どころの一つは、田村の「氷上腕立て伏せ」。
後半、田村が氷上の腕立て伏せで会場を沸かせ、最後のコレオリフトも圧巻だった。

2人が目標とするトップ10には惜しくも届かなかったが、日本勢歴代最高タイの12位で初の大舞台を終えた。
全力でやってきたことができた
戦いを終えた翌日、インタビューに応じてくれた“さらあつ”。
まず「今シーズン、全力でやってきたことが、そのままできたかなと思います」と手応えを感じたシーズンだったと振り返る。
岸本も「こんな大きい舞台で、しかも観客席のみなさんに応援していただいて、すごくいい経験だったかなと思います」と話す。

“さらあつ”は、2022年に結成。
ここまで持ち前のスピードとパワーで突っ走ってきた。
来季を見据えて、エッジワークやホールドをもっときれいに滑ることができるように、オフシーズンの間、もっと頑張っていきたいと意気込む。
「男梅」「ちいかわ」好きなカップル
普段はカナダを拠点とする2人だが、オフシーズンは日本に帰国するそうだ。
「意外と日本に戻ると忙しいんですよ」という田村は「ジュニアは試合が始まるシーズンが早い。だから、どんどん巻きでやっていこうと思っています」とすでに来シーズンを見つめる。

岸本は日本に帰ったら「買わなきゃいけないものがいっぱいある!」と話し、「『男梅』買うの!箱買い!」と明かすと、田村は「しぶいっすね」と岸本の意外な一面に少し驚いていた。
また、田村のスマホケースが「ちいかわ」だったことを目撃した取材スタッフが「『ちいかわ』好きなんですか?」と質問。
すると岸本が「Tシャツもバッグも全部そう!全部持っていて、バンケットに『ちいかわ』のTシャツ着ていこうと思っているぐらい(笑)」と田村の「ちいかわ」好きを代わりにアピール。
田村も「私だけ好きなんですけど、『ちいかわ』のトートバッグのようなものに靴を入れて、毎日楽しく練習に行っています!」と好きなものに囲まれて過ごしていると明かした。

2人の憧れは、四大陸選手権で世界フィギュアの代表をつかんだ小松原組。
「昔から日本のアイスダンス界を引っ張ってくれている大先輩なので、尊敬しています」(田村)
「美里さんと尊さん、大好きです!小さい頃からすごく優しくて、仲良くしてもらっています」(岸本)
いま、日本アイスダンス界は大接戦だ。
ジュニアのカテゴリで力をつける岸本・田村組が将来、どんなカップルに成長していくのか楽しみだ。
世界ジュニアフィギュアスケート選手権2024
3月10日(日)深夜2時50分~3時50分https://www.fujitv.co.jp/sports/skate/worldjr/index.html