香川・高松市に本社があるJR四国で活躍する社員デザイナーのもとで、修行を続ける若手社員がいる。車掌なども経験した女性社員。何を学んでいるのか取材した。

若手社員が弁当包装紙をデザイン

1月30日、記者会見に臨んだJR四国営業部の田川瑠香さん(28)は、包装紙のデザイン担当として、四国こんぴら歌舞伎大芝居の弁当をPRした。

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JR四国営業部・田川瑠香さん:
弁当が春らしく優しい味わいで、弁当に合うように色合いを華やかにした

田川さんの師匠は、同じ営業部所属の社員デザイナー・松岡哲也さん(55)。松岡さんは主に列車のデザインを担当し、人気が高まるJR四国の観光列車もすべて手がけてきた。

JR四国営業部・松岡哲也さん
JR四国営業部・松岡哲也さん

ーー社員がデザインする意味は?

JR四国営業部・松岡哲也さん:
(デザインを)外注すると会議で集まり、成果物をもらってその都度、意見をすり合わせる。我々はシームレス(つなぎ目なし)に、気になった時に(社員同士で)相談できる。(関係する社員)みんなで作れるというメリットがある

「社員デザイナー」として大切なこと

田川さんはさぬき市出身で、高松工芸高校、筑波大学で美術を専攻後、2018年に入社した。車掌などを経験したが、デザインをやりたいと自ら売り込んだ。

JR四国営業部・田川瑠香さん:
記事でJR四国の観光列車は社員がデザインしていると知っていて、社内の子供向けイベントでクオカード(プリペイドカード)を配る時、カードのデザインをできないかと担当の同期社員から話があり、勝手に(デザインを)描いた

列車の先端に付けるヘッドマークも田川さんがデザイン
列車の先端に付けるヘッドマークも田川さんがデザイン

JR四国営業部・松岡哲也さん:
総務を通じて、この(田川さんの)イラストを使っていい(と聞かれ)、こんなかわいいの誰が描いているの?すごい子が入ってきたなと

田川さんは、模型作りが得意な社員・森田健嗣さん(30)と一緒に、松岡さんの業務を手伝っている。

2023年12月には、座席のデザインを任された車両の営業運転も始まった。実績をあげる中、「社員デザイナー」として大切なことを学んでいる。

JR四国営業部・田川瑠香さん:
(デザインを)ダイヤの形にして、海や空のキラキラを表現した

JR四国営業部・松岡哲也さん:
ちょっと細かい模様が入ると、大量生産するとコストに関わる。最後はこの案からもう少しシンプルなものにした

JR四国営業部・田川瑠香さん:
(指摘は)考えもしてなかったが、列車はコスト面も考えないといけないと、すごく勉強になった

「旅行を楽しめるデザインを」

田川さんに「社員デザイナー」として目指すものを聞いた。

JR四国営業部・田川瑠香さん:
一番は、客に明るい、楽しい気持ちになってもらい、旅行を楽しめるデザインを作りたい。他部署の意見を聞きながら、会社の意見や思いを伝えるものを作りたい

やる気のある社員を伸ばし、ブランド力アップを目指すJR四国。今後、どのような価値を創造できるか注目される。

(岡山放送)

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