宝塚歌劇団の25歳の劇団員が死亡した問題で、遺族の代理人弁護士が27日都内で会見し、劇団側との3月中の合意を求めているとしつつも、劇団を運営する阪急電鉄の100%子会社が発行する「宝塚グラフ」の11月号に掲載された上級生のインタビュー記事に、死亡した劇団員をやゆするような内容があったと指摘した。

遺族側の代理人によると、劇団側は1回目の交渉では、上級生によるパワーハラスメントの存在を全否定していたが、第3回交渉で「ハラスメントに該当する」との見解を示した。だが第4回交渉では、劇団による謝罪文の内容や公表の方法について遺族側の主張に否定的だったとしていて、3月前半に実施予定の第5回交渉では、姿勢を改めて遺族の主張に耳を傾けるよう求めた。

また、劇団を運営する、阪急阪神ホールディングスの和夫会長(74)が、劇団の理事を退任する方針を固めたとの報道については、遺族側には何の連絡もなく、「会長が劇団理事を退任することが、同会長が責任をとることを意味しない」としている。

さらに遺族側代理人は、阪急電鉄の100%子会社が発行する「宝塚グラフ」11月号は、劇団員が死亡した20日後に発行されたが、掲載された宙組の上級生のインタビュー記事には、死亡した劇団員を“やゆ”するような内容があったと主張した。

遺族側は、死亡した劇団員は上級生によりヘアアイロンで額にやけどを負わされたと主張しているが、上級生はインタビューの中で稽古に出発する際の荷物などの質問を受けた際に、「ヘアアイロンを持って行こうかな」「絆創膏など、欲しくなるかもしれないものが沢山入っています(笑)。」と発言、寄稿していると主張している。

この記事について「上級生があえてヘアアイロンや絆創膏のことを持ち出し、最後に(笑)などと茶化して述べた(書いた)のは、上級生が被災者(※死亡した女性)にやけどを負わせたことを反省せず、また、被災者を悼む気持ちを持っていないと言わざるを得ない」としている。

またこのような発言をそのまま「宝塚グラフ」に掲載した事について、阪急電鉄の100%子会社である出版社の責任は重大だとして、阪急・劇団側に対して必要な措置を講ずるべきとしている。

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プライムオンライン編集部
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