2024年3月のパリコレに福岡・北九州市で成人式の“ド派手”衣装を手がけるレンタル衣装店が参加。モデルはダウン症を抱えながらも大きな夢を持った19歳の少女。衣装店とモデルが二人三脚で大きな夢に挑戦する。

パリコレに“ド派手”な衣装店が参加

2023年9月、アメリカで行われた「ニューヨーク・ファッション・ウィーク」。ランウェイを彩ったのは、北九州市で成人式の“ド派手”衣装を手がけるレンタル衣装店「みやび」だ。

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レンタル衣装店「みやび」・池田雅さん(2023年9月・ニューヨーク):
皆さんが称賛してくださって、「コングラッチュレーション!」とすごく言われて、夢の中にいるようです。これから本当にいろいろなことが起こりそうな予感しかしないです

ニューヨークでのファッションショーを終え、雅さんが思わず口にした「いろいろなことが起こりそうな予感」。それが今回、見事に的中した。何と世界最高峰といわれるファッションの祭典、パリ・コレクション、通称「パリコレ」に2024年3月、初めて参加することになったのだ。

モデルは“大きな夢を持つ”少女

「パリコレ」のランウェイを歩くのは19歳のダウン症のモデル、齋藤菜桜さん。雅さんと二人三脚で大きな夢に挑戦する。

生まれてすぐにダウン症と診断された菜桜さん。ダウン症のほかに「先天性食道閉鎖症A型」や「動脈管開存症」などの合併があり、これまで40回以上の手術を乗り越えてきた。病気と闘いながらも、モデルとして活動しているのだ。

菜桜さんの母・由美さんは、「大きな夢を持とうと。障害があっても夢をかなえることができる、ということを皆さんに伝えていけたらと思います」と話した。

菜桜さんは5年前から本格的にモデル業を始め、夢は「海外のランウェイ」を歩くこと。ただ、夢を追うには旅費やレッスンなど費用もかかるため、あきらめかけていた矢先だった。それが今回、出演依頼が舞い込んできたのだ。

菜桜さんの母・由美さん:
正月明けのテレビ番組でみやびさんの放送を見て、ドレスは皆さん「パリコレ」で着るので、日本といったら着物。着物といったら、ということで、雅さんと(菜桜を)つないでもらったんです

娘の衣装お披露目で母感動

出発を前に世界が注目する“ド派手”な衣装合わせの現場を取材した。

パリコレで着る衣装お披露目
パリコレで着る衣装お披露目

白い布が取り除かれると現れた色鮮やかな衣装が姿を現した。雅さんがデザインした衣装に思わず息をのむ菜桜さん。

母・由美さんは「これで歩くかと思ったら…、すごいねー!」と娘の衣装に感動。菜桜さんは驚きで固まってしまったようだが、雅さんが菜桜さんに「うれしい?」との質問に「うん」とうれしそうにうなずいた。

菜桜さんがオーダーしたのは「自分らしいドレス」。赤を基調とした反物に金の帯を合わせたきらびやかなドレスが仕上がった。

実際に衣装を着た菜桜さんからは「全部かわいい」との感想が。レンタル衣装店「みやび」・雅さんは、「個性が生きるかわいいドレスが作りたいと思って。(菜桜さんを見て)何、このフランス人形!みたいなイメージ」と話した。

モデル菜桜さん「がんばります!」

そして、翌日には、実際に衣装を着てパリコレのランウェイを想定した練習が始まった。

ランウェイを想定した練習をする菜桜さん
ランウェイを想定した練習をする菜桜さん

これまでのショーではイメージ通りに歩けず、悔しい思いをしたこともあった菜桜さん。一つ一つ課題を乗り越え、憧れのトップモデルと同じ舞台に立つ菜桜さんを雅さんは、衣装で後押しする。

レンタル衣装店「みやび」・雅さん:
菜桜ちゃんが、120点の笑顔で皆さんを幸せな気持ちにさせてあげられるようなステージになったらいいなと思います。

菜桜さん:
ステージ、歩こう。がんばります!

“誰だって大きな夢を持てる”
2人は現地時間の3月2日、「パリコレ」の舞台に挑む。

(テレビ西日本)

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