2023年3月、東京・台東区の自宅で4歳の次女・美輝(よしき)ちゃんに対し、向精神薬などを与え、殺害した疑いで両親が逮捕された事件で、Mr.サンデーは、細谷健一容疑者(43)と妻の志保容疑者(37)をよく知る人物を含めた10人の関係者を独自取材。「怪物と怪物が結婚してしまった」浮かび上がったのは夫婦の異様な”支配関係”だった。

位牌が段ボールに埋もれた棚の中に…

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東京・台東区のマンションで、10歳の長男、8歳の長女、そして次女の美輝(よしき)ちゃん(当時4歳)と5人で暮らしていた容疑者夫婦。

Mr.サンデーは、夫婦が暮らしていた自宅内部の写真を独自入手。

そこにはラーメンや赤ちゃんのお尻拭きなど段ボールに埋もれた棚の中にあった3基の位牌が写っていた。

この位牌は、6年前に相次いで亡くなった、健一容疑者の両親と当時41歳だった姉のものだという。

そして、この姉の遺体から検出された不凍液の成分と、2023年3月に中毒死した美輝ちゃん(当時4)から検出された成分が、同じであることがわかっている。

「スパに行く妻の下着を夫が用意」

18日、取材に応えたのは、容疑者夫婦が社長と役員を務めるホテル運営会社の元役員。元役員が明かしたのは、異様ともいえる夫婦の関係性だった。

健一容疑者の会社の元役員:
スパに行くのに彼女(志保容疑者)に命令されて、細谷健一容疑者が下着の着替えを用意していたんです。
用意したけど、下着の上と下、ブラジャーとショーツが揃いではなかった。
違うものを用意したら、彼女(志保容疑者)が細谷健一容疑者に対して「上下揃ってないものを用意して私をそこらへんのみっともない女と一緒にするな」って。
それでけんかになった。

ーー力関係はどうなっている?
健一容疑者の会社の元役員:
全然、力は志保容疑者の方が上ですよ。
見た感じ、体格と違って(健一容疑者が)罵倒されてましたからね。

実は、6歳年下の志保容疑者の方が力を持っていたという夫婦関係。

志保容疑者を詳しく知る人物は、「怪物と怪物が結婚してしまった。あんな夫婦にもう関わりたくない」と言い放った。

何不自由ない家庭で育った夫と母子家庭だった妻

父親が創業したという浅草にある人気のホテルやマンションを所有する資産家一家の長男として生まれた健一容疑者。

親族に話を聞くと、「男の子が生まれたことで(健一容疑者の)お父さんは喜んで甘やかして育てていました。お金をこれ以上かけられないってほどに、健ちゃん(健一容疑者)だけにお金をかけて」と振り返った。

何不自由ない家庭で育った健一容疑者。一方、北海道に生まれた志保容疑者は、幼いころに両親が離婚して、母親と2人暮らしだったという。

志保容疑者を詳しく知る人:
中学時代は不登校で、ギリギリ卒業できたが、高校には行っていない。中学を出た後、志保が1人で上京し、水商売をしていたようだ。

そこで、出会いの時が訪れる。

ーー2人の出会いはご存知ですか?
健一容疑者の会社の元役員:
彼(健一容疑者)から聞いているのは、友人たちと近くのキャバクラだかスナックだか飲みに行った時に、彼女がそこで働いていた。
そこで知り合ったんだけど、しばらくしたら、昼間、浅草のどこか路上でばったり再会したと。その時はもう店はクビになったかなんかで辞めてしまっていて、行くところがない何もないと・・・。じゃあ、うちに来ないかっていう形で自分(健一容疑者)の家です。そのまま知り合って、そのまま結婚したって聞いている。

”運命的な再会”から結婚した2人だったが、待っていたのは、決して幸せな新婚生活ではなかった。

2人は、数年前まで千葉県流山市にあるアパートに住んでいた。近隣住民に当時の話を聞くと、こう証言した。

細谷容疑者夫婦を知る人:
夫婦のけんかがすごい。その道路からよく聞こえる。奥さんの声だけね。なんだか何言っているか分からないけど、最後は「殺せ殺せ」なんて。

志保容疑者は「まず起きないんですよ」

そんな中、長男が生まれると、2年後に長女が誕生する。

その後、一家は浅草に戻り、健一容疑者の父親が所有する10階建てマンションの一部屋で暮らすことになった。

ホテル事業を営む健一容疑者の両親と志保容疑者の関係については、こう話す。

健一容疑者の親族:
お店(ホテル)をおばあちゃん(健一容疑者の母)が事務やっているから、本当はお嫁さん(志保容疑者)に事務員として手伝ってもらいたいんだけど、その事務も何もできないって、こぼしていた。案外、計算が駄目らしい。

健一容疑者の会社の元役員:
まず起きないんですよ、彼女は。
自分の部屋に引きこもってることがほとんどだったんで、ちょっと普通じゃないなっていう印象。

一方、家の中では健一容疑者とのけんかが頻発していたという。

健一容疑者の会社の元役員:
志保さん、奥さんがわーっと怒鳴り散らして、言葉にならない状況って言ったらいいんですかね。人がいる前ではやらないんだけど…。

ーー健一容疑者は言い返さないんですか?
健一容疑者の会社の元役員:
言い返せないんですよ。(志保容疑者の)けんまくがすごいから。言い返せない。
「お前はばかなんだ。ばか野郎」
「こんなこと分からないばかなのか」
もうかなりの罵倒でしたよね。

度が過ぎると、やっぱり彼も怒って、そこでわーっとお互いにけんかになって大騒ぎに。でも、最終的には彼が負ける。

ーー健一容疑者が折れるということですか?
健一容疑者の会社の元役員:
折れるじゃなくて負けるんです。我慢して譲って折れるとかじゃなくて、言い負かされちゃってぐうの音も出なくなるって感じです。

さらに、けんかがエスカレートすると、志保容疑者は驚きの行動に出た。

健一容疑者の会社の元役員:
けんかをすると感情的になって。台所の洗剤を一瓶飲んでしまって救急車呼んだり、飛び出して南千住の方で(警察に)保護されたことがあったとか。

そんな暮らしの中、2018年、一家に異変が起きるーー。
(「Mr.サンデー」 2月18日放送より)

後編に続く
【独自】志保容疑者「児相が私の子供をおかしくした」 関係者10人取材で「夫婦の異様な支配関係」明らかに 台東区・4歳女児中毒死