3年前の2月9日、大分県大分市で時速194キロの車による死亡事故が起きた。この事故を巡っては遺族の思いが国を動かし「危険な運転をどう処罰すべきか」今後、本格的な議論が始まる。遺族がいまの心境を語った。

時速194キロ死亡事故から3年

「事故からきょうでまる3年が経つ。きょう改めてこの場所に来て、またあの日に戻った気持ちになってとても悲しい気持ち」(小柳憲さんの姉 長文恵さん)

9日午後、事故現場を訪れた遺族。3年前、この場所で悲惨な事故が起きた。
2021年2月9日の午後11時ごろ、大分市大在の交差点で小柳憲さんが時速194キロの車と衝突し亡くなった。

大分地検は当初車を運転していた19歳の男を「過失運転致死罪」で起訴。
しかし、遺族はその判断に納得が出来ないと2万人以上の署名を集めて地検に提出。
その結果、地検はより刑が重い「危険運転致死罪」に変更した。

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「危険運転致死罪」適用のハードル

この事故で浮き彫りになったのは「危険運転致死罪」を適用するハードルの高さ。
遺族は事故から3年となる今も講演などを通じて「危険な運転を正しく処罰して欲しい」と訴えている。

「亡くなった人は声を挙げられない。それは家族が訴えてあげないとこのままでいいよというわけにはいかない」と話す小柳憲さんの姉、長文恵さん。

この事故などをきっかけに危険運転の処罰の在り方が議論され、去年、自民党のプロジェクトチームが岸田総理に提言し「法律の条文が分かりづらい」などと指摘した。

「法律の内容や運用が多くの国民の皆さんにとって理解される、納得の得られるものでなければならない。法務省において直ちにこの検討を開始させたいと思う」(岸田総理)

遺族「まずは事故の裁判に集中」

法務省は今月、1回目の検討会を開く予定ですが遺族はまずはこの事故の裁判に集中したいと話している。

「私たちは現行法でいま闘っているのでこれを判例になるように。そしてそれが弟の命が無駄にならなかったということで、その報告が弟に出来たらと思っている」(小柳憲さんの姉 長文恵さん)

遺族の思いは何年経っても癒えることはない。
8日には3回目となる公判前整理手続きが行われ、少しずつ裁判が近づいている。
裁判員裁判となるこの事故、今後も取材を続けていく。

(テレビ大分)

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