北陸新幹線は現在、東京から金沢までつながっているが、3月16日に、金沢から敦賀までの区間が開業する。
関西テレビ「乗り鉄デスク」神崎博が、「どうしても…」ということで、2月1日の試乗会を取材した。
神崎博デスク：来ました、来ました。あっちから新幹線来ます。
敦賀駅のホームにやってきた「北陸新幹線」の写真を夢中で撮る神崎デスク。「乗り鉄」神崎デスクにとって待ちに待った瞬間とはいえ、取材そっちのけでどうしたものやら。まず新幹線について紹介をしなければいけない。
神崎博デスク：こちらが北陸新幹線の車体です。W7系とE7系という、2つの車体があって、真ん中がブルーになっていて、ブルーは北陸の青空を示します。両脇の白い部分はよく見ると真っ白じゃなくて、アイボリーで、黄みがかった象牙色です。このメタリックの帯は銅の色をしていまして、北陸の伝統工芸に使われている、そういったイメージで銅の帯がすっと横に入っています。ちなみにこのデザインは…。
興奮のあまり、「簡潔にわかりやすく」というセオリーを忘れ、満足するまでしゃべった神崎デスクだった。
■敦賀から金沢までの区間は北陸新幹線で…グランクラスは指定席の2倍の料金
新幹線の中は…
神崎博デスク：こちらが普通車の車両です。左右に3席と2席、1列5席の車両です。特徴はヘッドレストが動くので、私のように座高が高い人でもちゃんと頭を支えてくれます。
この新幹線最大の特徴が、グリーン車の“先”にあるという。
神崎博デスク：グリーン車は飛行機でいうとビジネスクラスだと思うんですけども、さらに先にもう1ランク上のファーストクラスともいえる「グランクラス」があります。左右に1席と2席で、かなり豪華で、飛行機のファーストクラスを思わせるシートになっています。
１列に３席しかない、ゆったりとした空間。ふかふかの座席は最大45度までリクライニング可能だ。ヘッドレスト調整機能や、読書灯まで座席に付いている。
さらに、季節ごとに変わる軽食や飲み物が席まで運ばれてくるサービスもあり、まるで飛行機のファーストクラス。お値段は、敦賀から金沢間で、指定席の約2倍の1万2990円（指定席は5480円）。特別なひとときを味わいたい方はぜひどうぞ。
敦賀駅で乗車してから約1時間、あっという間に金沢駅に到着した。
■大阪から金沢への直通路線が廃止、敦賀での乗り換えが必要
関西から気軽に行ける人気の観光地、金沢だが、新幹線が伸びることで、関西の人にとって不便になることもあるという。現在、大阪から金沢には、特急サンダーバード1本で乗り換えなしでいくことができるが、北陸新幹線の延伸後は、サンダーバードは福井県の敦賀駅止まりになる。敦賀で新幹線に乗り換える必要があり、所要時間は最大で22分短縮されるが、料金が1620円高くなってしまう。
さらに敦賀での「乗り換え」がやっかいで、大阪方面から来た場合、1階にあるサンダーバードのホームから3階にある新幹線のホームまで移動しなければならない。JR西日本は、乗り換え時間を「8分」と想定しているが、約1000人が参加した1月のシミュレーションで、改札に近いエスカレーターに人が集中し、13分もかかった。
この「乗り換え」問題について、大阪の街で聞くと…
街の人：１本でいけないのは嫌ですね。乗り換えするのはめんどくさいし。
街の人：子どもがいるのでどうしても融通利かないので。（乗り換えで）ぐずったりしたら大変ですね。
金沢市の担当者も、関西からの観光客が減ってしまうことを懸念している。
金沢市経済局観光政策課 小川晶子さん：金沢駅で降りる方が若干減るのではという、ご心配の声っていうのは、実際聞いているんです。魅力をきちんとお伝えすることで、乗り継ぎの不便さは乗り越えていけると思う。
■「100年に一度の好機」福井・敦賀が官民をあげて街おこし
一方で、延伸に大きな期待を寄せているのが、金沢への乗換駅となる、福井県敦賀市だ。日本海に面し、かつては港町として栄えた敦賀。しかし、駅前を歩いてみると…
神崎博デスク：駅前の一番いい場所なんですけど、お土産屋さんはシャッターがしまっている状態。商店街は昔からあるんですが、平日の午前中だからかもしれないですが、結構シャッターが目立ちますね。
駅前にもかかわらず、さみしい風景が続く。県外への人口流出が続く敦賀にとって、新幹線の延伸は、「100年に一度の好機」と言われ、少しずつ、新しいホテルや商業施設ができ始めていた。
こちらの茶の販売店は、外国人観光客の増加などを見越して、2年前、駅前に新たに2号店をオープンした。
中道源蔵茶舗 中道尚子さん：今本当に（改行への）カウントダウンが始まってるじゃないですか。本当わくわくしながら、責任っていうか、『100年に一度』って言われるところを、どう実現できるかっていうのは思ってます。
店の一番人気は、濃厚な「お濃茶ソース」で仕上げた、贅沢なパフェだ。
神崎博デスク：口の中にものすごく抹茶の香りが広がりますね。
福井県や敦賀市は、こうしたリノベーションを促進するため、最大2000万円の補助金制度を創設し、官民をあげて、街おこしに取り組んでいる。
敦賀駅前商店街 河藤正樹さん：乗り継ぎの方も一本新幹線を遅らせるとか、乗り継ぎを遅らせるとかして、その分、敦賀の街中をぜひ楽しんでいただければと思います。
待ちに待った開業まで残り1カ月あまり。北陸新幹線の延伸で、人の流れはどう変わるのだろうか。
（関西テレビ「newsランナー」20244年2月1日放送）
