若い頃よりもお尻が垂れた、お腹がぽっこりしてきた…、こんな体形の崩れは“悪い姿勢”が関係しているというが、私たちはどうすればいいのだろう。

YouTubeなどでフィットネス情報を発信する、ダイエットコーチの計太さんによると、体の見た目が悪くなる姿勢の代表は「巻き肩」「猫背」「反り腰」「スウェイバック(≒骨盤後傾)」の4つ。
(4タイプのチェック法はこの記事で↓
【前編】『最近お腹がぽっこりしてきた…その原因は「姿勢」?ダイエットコーチが教える体形崩れにつながる“4つのタイプ”チェック法』
この“悪い姿勢”が習慣化すると、体形の崩れだけではなく、肩こりや腰痛の原因となり、バストダウンやヒップダウンを引き起こすこともあるという。女性にとっては特に悩ましい問題だろう。
これらを解決するには、硬くなった筋肉をほぐす、使えていない筋肉を動かすことが必要になってくるという。そこで、姿勢改善に役立つストレッチの動作やポイントを紹介したい。
「猫背」「巻き肩」改善ストレッチ~上半身~
まずは上半身から。猫背の改善にお勧めなのは、胸と上腕のストレッチだ。

【胸のストレッチ】
壁に向かって立ち、肩よりも少し高い位置に肘と手を置く。肩を上げない、巻かないように意識しながら、体をゆっくり反対側に向けて30秒キープ。左右行う。

【上腕のストレッチ】
壁に向かって立ち、肩と同じくらいの位置に、指が上を向くように手のひらをつける。腕をねじるようにして、体を反対方向に開いて30秒キープ。左右行う。
巻き肩の改善には、この2つに加えて、背中のストレッチもしてほしいという。

【背中のストレッチ】
四つん這いの状態から片腕を伸ばし、内側斜め前の方向に置く。その腕に顔を乗せるように体を少しねじって倒し、30秒キープ。左右行う。
「反り腰」「スウェイバック」改善ストレッチ~下半身~
次は下半身。反り腰を改善したいなら、背中のストレッチに加えて、次の腰と背骨、腸腰筋(腹部の奥にある筋肉)のストレッチに挑戦してほしい。

【腰と背骨のストレッチ】
四つん這いの状態から、手で床を押しつつ、腰を丸める意識で背骨全体を丸める。

【腸腰筋のストレッチ】
片膝をひざまづき、もう片方の膝を前に出す。骨盤を後ろ側に傾けることを意識しながら、重心を少しずつ前にかけて、30秒キープ。左右行う。
スウェイバック(≒骨盤後傾)はお尻、太もも裏とふくらはぎのストレッチで改善しよう。

【お尻のストレッチ】
両足を崩して床に座るような体勢から、上から見て、片膝が約90度になるよう前方に出す。骨盤を立てつつ、へそを床に近づけるように倒して30秒キープ。左右行う。

【太もも裏とふくらはぎのストレッチ】
仰向けで寝たまま、片脚を天井に向けて伸ばす。膝を両手で持って引き付け、つま先を顔の方向に向けるようにして、30秒キープする。左右行う。
これらを続けると姿勢の改善が期待できるという。
タイミングは入浴後、朝の起床後がお勧め
ストレッチの頻度は1日に1回でもいいので、習慣化して続けることが大切。タイミングとしては、体が柔らかくなる入浴後や、気持ちの良い状態で1日をスタートできる、朝の起床後がお勧めだ。
筋肉は息を吐くと緩みやすいため、ストレッチは呼吸を止めずに行うことがポイント。力を入れた状態で30秒ほどキープすると、筋肉の緊張感が和らぎ、ほぐれる感覚があるという。

ただし、柔軟性や筋肉の状態はそれぞれで異なるので無理は禁物。痛みを強く感じてしまうときは、引っ張りすぎ、曲げすぎの可能性もあるので、適度な強度で行ってみよう。鏡に映した自分の姿を定期的に撮影しておくと、姿勢や体形の変化が分かりやすいという。
あなたはしていない?姿勢が悪化するNG習慣
姿勢の改善にはストレッチが有効と分かったが、実はもうひとつ大切な要素があるという。
それが、日々の生活習慣。計太さんは「生活意識が変わらなければ、姿勢は変わりません。ストレッチをいくらしても、だらしない姿勢を続けられたら元も子もないのです」と話す。ならば正しい姿勢をキープすれば問題ない、と考えがちだが、「それは難しいでしょう」という。
「人間は動物であるため、そもそも同じ姿勢を長時間維持できるように作られてはいない。たとえ正しい姿勢であっても、長時間姿勢を保とうとすること自体が実現不可能なことなんです。それを理解して、人はもっと運動しなければいけない、『不動の時間』を減らさなければいけないと思っています」(計太さん)

例えばデスクワークの場合、長時間座ることがどうしても多くなる。加えて「運動不足」「パソコンやスマホの使いすぎ」も重なり、“正しい姿勢”を保ち続けるのはより難しく、姿勢の乱れにつながりやすいという。そんな時は1時間に1回でいいので立ち上がったり、歩いたりしてみるといいのことだ。
適切なストレッチと日常の姿勢の見直しを続けると、早ければ1カ月ほどで変化が感じられるそうだ。体の見た目が気になるなら、姿勢の改善からチャレンジしてもいいかもしれない。次回は多くの人が気になるであろう、食事のとり方についてのポイントをお伝えする。

計太
大阪教育大学スポーツ科卒、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修了。専門は運動生理学。大学後はジムトレーナーとして勤務していたが、リバウンドに悩む人の多さを目の当たりにして一念発起。2018年に立ち上げたパーソナルジム「ボクノジム」は都内の3店舗、奈良県の1店舗に加えてオンラインジムを展開、主にダイエット指導と姿勢改善に精力的に取り組んでいる。
日々情報を発信しているYoutubeチャンネルの登録者数は12万人を超えている(2024年2月現在)。
計太さんのYoutubeチャンネルはこちら
(www.youtube.com/@ke_ta)