SNSで犯罪の実行役などを募集する「闇バイト」は今や大きな社会問題になっている。
そんな闇バイトの募集が、一般の求人情報の中にも紛れていないか、生成AIを使ってチェックする取り組みがある。

「バイトル」などの求人情報サイトを運営するディップ株式会社では、自社研究所の技術を活用した「闇バイトチェックAI」を開発し、社内利用に限定して運用を始めたと発表した。
同社が運営する求人情報サイトでは、2022年11月から目視で「闇バイト」をチェックしていたが、今回の「闇バイトチェックAI」の活用で80%程度の時間削減ができる見込みだという。
「闇バイトチェックAI」は、インターネットやSNSで公開されている闇バイトの事例を学習しており、高い精度の対応が可能だとしている。

ただ、今のAI技術は特徴的な文章の「闇バイト」の検知に限られるため、同社は求人サイト利用者からの申告を受け付ける「闇バイト相談窓口」を1月22日に公開した。
ユーザーからの申告とAI活用により、不審な求人情報と思われるものは、営業担当を通じて掲載企業への確認を行うそうだ。
これまでに同社サイト内で闇バイト求人の掲載はなかったとのことだが、実際の闇バイトの募集にはどんな特徴があるのだろうか?そもそも巻き込まれないためにはどうしたらいいのだろうか?ディップ株式会社の担当者に聞いてみた。
特徴は「異常に高い報酬」「連絡手法がSNS」
――「闇バイト」の募集にはどんな特徴がある?
異常に高い報酬のほか性別を限定する募集、連絡手法がSNSである、電話をかけるだけ・箱を運ぶだけといった仕事内容が不透明でわかりにくい、などが挙げられます。
――不審な求人情報を見つけた場合は、掲載を取りやめる可能性もある?
当社規定に沿ってない案件に対しては、掲載停止を行っております。今後もその方向性に変更はございません。
――従来の目視検査は、どんな方法でどれぐらい行っていた?
毎月実施しております。検査方法は悪用の恐れがあるため詳細はお答えできませんが、全掲載原稿に対して特定の条件で絞り込み、目視にて検査を行っております。
闇バイトに巻き込まれないための注意点
――闇バイトに巻き込まれないためにはどんなことに注意すればいい?
以下は、当社執行役員 商品開発本部本部長 兼 メディアプロデュース統括部長 進藤圭のコメントとなります。
・情報元に注意:求人情報は信頼できるサイトや公的機関から得るようにする。怪しいウェブサイトやSNSの投稿には注意が必要です。
・条件に注意:給与や労働条件が明確に記載されていない、あるいは非常に良い条件である場合は疑いを持つこと。特に高収入を謳っている場合は要注意です。
・クチコミに注意:企業の評判や過去の実績をインターネットで調べ、信頼性を確認すること。評判が見つからない、あるいは悪い場合は避けるのが賢明です。
・相手の身元に注意:面接時や契約前には、企業の身元を確認すること。住所、連絡先をチェックしましょう。
・契約書に注意:契約書には必ず目を通し、不明な点や不安な点があれば質問すること。口約束だけでなく、書面での契約を求めること。
・家族や友人と相談:怪しいと感じたら、家族や信頼できる友人に相談しましょう。第三者の意見を聞くことで、客観的な視点が得られます。
・直感を信じる:何かがおかしいと感じたら、その直感を信じて行動しないことが大切です。安全を最優先に考えましょう。

闇バイトに関係したニュースは、みなさんも見たことがあるだろう。それだけ闇バイトは生活の身近に潜んでいるのかもしれない。今回の注意点などに気をつけ、巻き込まれないようにしていただきたい。