痩せたければ姿勢に気をつけて、筋トレや有酸素運動をやって、甘いお菓子を控えて…。なるほど、頭ではわかるが、それが続かないから困っている。そしてリバウンドの繰り返し…。

「2カ月後の減量よりも1年後の健康」を掲げ、継続する秘訣を教えてくれたダイエットコーチの計太さん
「2カ月後の減量よりも1年後の健康」を掲げ、継続する秘訣を教えてくれたダイエットコーチの計太さん
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人気ダイエットコーチの計太さん(パーソナルジム「ボクノジム」代表)は「自分がいま注げる労力、キャパシティ以上の努力をするから続かないのだと思います」とキッパリ。

では、続けるにはどうすればいいのか。今度こそ“最後のダイエット”にするための秘訣を聞いた。

まずは「太った原因を取り除く」ことから

「『ダイエット=生活改善』と考えるのが重要です。
続かない人の多くにはこの意識が薄く、なぜ太ってしまったかの原因を無視したまま、何かを我慢する・激しく運動するなど、的外れなことにいきなり取り組んでしまいがちです」(以下、計太さん)。

例えば、外食続きでお酒や脂質の摂取量が増え、太ってしまった場合。脂質の摂取を控えめにしてバランスのよい食事を心がけずに、いきなり夕食抜きにしてしまう。これは“原因を無視した努力”だという。
「活動量が減った」「栄養バランスが崩れた」のであれば、なぜそうなったのか。在宅ワークが増えた、間食が増えたなど、原因は必ずそれぞれの生活の中にある。それを見つけるプロセスが第一歩だ。

在宅ワークによる運動不足、間食の増加…「太った原因」は何か考えてみよう
在宅ワークによる運動不足、間食の増加…「太った原因」は何か考えてみよう

原因が見つかったら、それを改善することから始める。「在宅ワークで活動量が減った」のならば、休憩時間に数分間のストレッチをしたり、散歩をしたりする。「間食が増えた」のなら、量を元に戻してみるのもいい。
少しずつではあるが、まさにこの生活改善こそが「ダイエットの始まり」だ。

意気込むのはいいけれど…大事なのは「+5%の努力」

ここで重要なのは、健康にいいことだからといって、いきなり高い目標を設定しないこと。
全く運動していなかったのに「毎日30分筋トレする」、毎日お菓子を食べていたのに「間食禁止」として、果たして続けられるかどうか。

「ダイエットと減量を分けて考えることが大切です。大切なこの日には痩せていたい、と期間を決めて取り組む『減量』であれば話は別ですが、ダイエット=生活改善、つまり一生続くものなんです。ある程度ラクだと感じられるような、一生続くものでないとダイエットとは言えないのです」。

「一生続く」と聞くと目の前が暗くなってしまいそうだが、ここで計太さんが勧めているのが「+5%の努力」だ。

「今の生活を100%として、105%くらいの努力をする。例えば、全く運動をしない人がお風呂上がりに10分間ストレッチをする、いつも洋菓子ばかりの間食を果物に置き換える。これらは大きな一歩です。
慣れたらまた105%と、小さな努力を積み重ねると良いと思います」。

野菜を多く取り入れる、ストレッチをする、甘いジュースを控える…少しのことでも、大きな一歩!
野菜を多く取り入れる、ストレッチをする、甘いジュースを控える…少しのことでも、大きな一歩!

計太さんの経験上「間食なし」「食事を抜く」など、引き算をしてしまう人が多いそうだ。それよりも、別物に置き換えたり、少し足し算をするくらいの方が続きやすいのではないかという。

そして、それが自分の生活習慣として定着したら、次の「+5%」に取り組む。
例えば毎日のストレッチが習慣化したなら、次は2~3日に1回10分間筋トレをしてみる、それにも慣れたら今度は筋トレを15分に延ばしてみるなど、「+5の努力」の繰り返し。つまり「少しずつ自分の生活の一部にする」という意識を持つことで、無理をせずに続けていけるのだという。

それでも無理なら…レベルの見直しを!

「+5%の努力」を少しずつ、というのはわかった。しかし少しずつでもレベルを上げていく過程で、「やっぱり続けられない」という人も出てくるかもしれない。それはなぜなのか。

体形が気になり出す世代の人たちは、仕事や家事、子育てに日々追われる人も多いだろう。中には親の介護をしていたり、仕事や家庭に大きな問題を抱えている人もいるかもしれない。
そんな中で「どれだけ気力を“ダイエットに注げるか”も関係するでしょう」と計太さんは指摘する。

仕事や家事、育児、介護…ダイエット以外に気力を奪われていると感じる時は、無理をせず努力レベルを下げよう
仕事や家事、育児、介護…ダイエット以外に気力を奪われていると感じる時は、無理をせず努力レベルを下げよう

「ダイエットにどれほどの気力を注げるような状況なのか、ご自身の生活を一度見直してみて欲しいのです。それぞれの状況に応じた努力量じゃないと、続けるのは難しいですよね。
そして、無理な努力量だと感じるのであれば、一段階、努力レベルを下げてみて下さい」。

具体的には、仕事や家事などに追われる中で「運動を毎日1時間!」と長時間やろうとしていないか。その場合は30分に減らしたり、数日に1回と頻度を減らすのもいい。食事量を減らしすぎている場合は、少し戻してみるのも手だ。

ダイエット=生活改善。続けることが何より大切!
ダイエット=生活改善。続けることが何より大切!

生活改善であるダイエットでは、何よりも続けることが大切。計太さんも「2カ月後の減量よりも1年後の健康」を掲げていて、焦らず少しずつ、が鉄則なのだ。
少し後退するように感じる時期があるかもしれないが、長い目で見て着実に進める。それが結局は“最後のダイエット”への近道と言えそうだ。

ダイエット≠体重コントロール

さて、そうして続ける人の中には「なかなか体重が減らない!」と悩む人も出てくるかもしれない。そんな人に対して、計太さんは「ダイエット=体重コントロール、とは考えないで下さい」とアドバイスを送る。
重さのある筋肉が増えた=代謝の良い体に近づいているという証拠。それよりも、体脂肪率が減ったかどうかをチェックした方が良さそうだ。

一方で計太さんは、「本当にダイエットが必要な人は、特に日本人女性ではごく一部です」と警鐘を鳴らす。

「そもそも僕は、みんなが『痩せ』を意識しすぎていると思っています。食事をしっかり取り、運動を取り入れて生活改善をした結果、体重が増える人もいる。
体重ばかりに目を向けて、体調を崩さないように注意してください」。

次回は、多くの人が陥りがちな、ダイエットにまつわる失敗談や誤った知識についてお送りする。

『ダイエットコーチ計太の「ラクやせ」メソッド』

計太
大阪教育大学スポーツ科卒、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修了。専門は運動生理学。大学後はジムトレーナーとして勤務していたが、リバウンドに悩む人の多さを目の当たりにして一念発起。2018年に立ち上げたパーソナルジム「ボクノジム」は都内の3店舗、奈良県の1店舗に加えてオンラインジムを展開、主にダイエット指導と姿勢改善に精力的に取り組んでいる。
日々情報を発信しているYoutubeチャンネルの登録者数は12万人を超えている(2024年2月現在)。

計太さんのYoutubeチャンネルはこちら
www.youtube.com/@ke_ta

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