オリンピックイヤーとなる2024年が幕を開けた。パリオリンピックに向け始動したアスリートたち。女子マラソンの代表に内定した秋田・大仙市出身の第一生命グループ・鈴木優花選手は「思い切り楽しみつつ、いい結果を残したい」と、初挑戦となるオリンピックにかける思いを語った。

「徐々に覚悟ができてきた」

東京都内にある第一生命グループ女子陸上部の練習施設。
「よろしくお願いします」と言って姿を現したのは、パリオリンピック・マラソン女子代表に内定した秋田・大仙市出身の鈴木優花選手だ。

パリ五輪マラソン代表内定・鈴木優花選手
パリ五輪マラソン代表内定・鈴木優花選手
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鈴木優花選手:
まだいまいち(パリオリンピック出場の)実感が湧かないところもあるが、どうやってマラソンに挑んでいくかを考えつつ、徐々に覚悟ができてきたかと思う

率直な思いを語る鈴木選手。
2023年10月、代表を決める選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」で見事に優勝し、代表の座を勝ち取った。自身3度目のマラソン挑戦だった。

鈴木優花選手:
スタートラインに立った時には不安もあった中で、競技場にいざ帰ってきてみたら、気づいたら前にいたような。何ていうか、うれしいのかもしれないが、不思議な感覚だった

一時は先頭集団から後れを取ったが、レース後半の38km過ぎに一気に先頭の選手をかわした。

鈴木優花選手:
前に一山麻緒選手(2位で代表内定)が見えてきた時に、一山さんも余裕はないかなと思い、自分の今の感覚だといけるんじゃないかという、すごくまた元気になった感覚を覚えている

陸上人生が変わった4年間

鈴木選手は大仙市出身。小学校の時から走るのが得意で、大曲高校に進学後、本格的に陸上・長距離に打ち込んだ。

その後、さらなる成長の場を求めて大東文化大学に進学。自身のターニングポイントだったと話すのは、全日本大学女子駅伝への出場だ。

鈴木優花選手:
全日本大学女子駅伝で、1年生の時に2区の区間賞を取った時。無心でとにかく前を追っていたら、ここまで来ちゃったという感じだったので、自分はここまでやれるんだとすごく自信になった大会

全日本大学女子駅伝では、3年連続で区間賞を獲得。大学2年生の時には「学生のオリンピック」と呼ばれる「ユニバーシアード競技大会」で、女子ハーフマラソンを制した。鈴木選手は「大学4年間で陸上人生が変わった」と振り返る。

鈴木優花選手:
いろいろな大会を積み重ねる中で一番思うのは、陸上人生が変わった4年間だったと思う。監督から「常に挑戦者だよ」って言ってもらったことが、一番心に残っていて、それが常に自分をアップデートし続ける、成長し続ける、上を目指し続けるというところで、ここまで自分を成長させることができた。4年間で一番成長させてくれた

2023年に実業団の第一生命グループに入ったばかりで、すぐさまオリンピック出場を勝ち取った鈴木選手。地元・秋田からの声援が後押ししたようだ。

鈴木優花選手:
すごく力になっていた。離れていても、ずっとずっと応援し続けてくれる皆さんに感謝の気持ちでいっぱい

姉の活躍に涙…妹・彩花さんの思い

ところで、鈴木選手には、母校・大曲高校で陸上に取り組む妹・彩花さんがいる。
姉の活躍に刺激を受けて高校で陸上競技を始め、大会前には必ず鈴木選手にアドバイスをもらっているという。

MGCで鈴木選手が優勝した時、彩花さんはどう感じていたのか。彩花さんへの取材の様子を見てもらった。

大曲高校陸上部(2年)妹・彩花さん:
ゴール直前で、私、涙が止まらなくて。身近な存在で、尊敬していた姉がまさか決めると思っていなくて、トップアスリートにも食らいついていく姿が、すごく格好良かった

鈴木優花選手:
まさか涙ぐんでいたとは思わなかった。LINEでは、陸上とは全く関係のない話もするし、インスタグラムによく反応してくれるし、離れてみて、心の距離は縮まった気がする

2024年の目標は「パリ五輪入賞」

最後に2024年の目標を語ってくれた。

鈴木優花選手:
実は、試走でエッフェル塔を見てきた。すごくきれいだった。本当にすてきなところなので、そこで走れるってすごく幸せだなと思う。楽しみな気持ちでいっぱい。これから練習もきつくなるし、不安な気持ちもまた出てくると思うが、スタートラインに立つころには、気持ちも体も元気な状態で行けたらなと思うので、楽しみな気持ちで迎えられたらと思う

2024年の目標!気分転換によく描くというイラストとともに
2024年の目標!気分転換によく描くというイラストとともに

2024年の目標は、「パリ五輪入賞」だ。

鈴木優花選手:
初挑戦のオリンピック。そこに全力を注いでいきたいと思って、パリオリンピック入賞という目標を掲げた。この先もつながっていくように、一番最初の挑戦は、全力で挑んで、思いっきり楽しみつつ、良い結果を残したいなと思ったので、この目標にした

1月14日に京都市で行われた全国都道府県対抗女子駅伝で秋田県チームのアンカーを務め、オリンピックイヤーのスタートを切った鈴木選手。故郷の声援を受け、大舞台に挑む。

(秋田テレビ)

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