1月30日から中国・上海で行われる四大陸フィギュアスケート選手権。
この四大陸選手権にアイスダンス代表が3組出場する。
先日、この大会で最上位の日本代表カップルが3月の世界選手権の代表に選ばれることも決まった。
2年連続4回目の出場となる結成8年目の小松原美里・尊組は、2023年12月末の全日本選手権では2大会ぶり5度目の優勝を果たした。
今大会は特に若手の台頭にプレッシャーを受けたようだが、2人は彼らをリスペクトし、「一緒に頑張っていきたい」と口にする。
熱戦を繰り広げた全日本
去年5月、“かなだい”こと村元哉中・高橋大輔組(かなだい)が引退し、日本アイスダンス界は大きな分岐点を迎えた。
“かなだい”が残した遺産は大きく、今季新カップル2組が誕生。全日本には6組が出場し、北京五輪代表の小松原組らと熱戦を繰り広げた。

カップルを結成して8年の小松原組。
息ぴったりの安定感を放つベテランカップルは、リズムダンス『ゴーストバスターズ』の曲に乗せ、コミカルに演じきった。

リズムダンス2位スタートとなった小松原組。
続くフリーダンスは打って変わって、ゆったりとしたテンポの曲にあわせて踊り出す。

ツイズルとリフトはさすがの完成度を見せ、そろって最高評価を獲得。
大人の魅力たっぷりの演技で逆転優勝し、全日本5度目の頂点に輝いた。

優勝が決まった瞬間に涙を見せた美里は「五輪選考のときと変わらない緊張をしていました。それが少しホッとしたような気持ちで、涙腺が緩んじゃったかな」と涙の理由を語る。
また尊も「他のアイスダンスも日本のアイスダンス界を盛り上げるために頑張っているから、本当にすごく感動しました」と熱戦を振り返った。
緊張が緩んでうれし泣き
翌日、全日本優勝カップルとして出演したメダリスト・オン・アイスで2人に話を聞いた。

全日本を振り返り、美里は「自分たちが練習してきたことを出せたことを誇りに思います。まだまだ成長をするつもりなので、応援してくださった方々に『これからも楽しみにしていてください』とお伝えしたいです」と話す。
尊は「昨日はとても楽しくて、日本のみなさんの前でいい演技をできたことがとっても感動しました。本当に心の底から“ありがとう”という気持ちを伝えたいです」と感謝の言葉を口にした。
優勝が決まった瞬間、2人が抱き合う姿もみられた。

「ギリギリまでどうかわからなかったから、すごく緊張していました。(順位が)発表がされてから緊張が緩んで、涙が珍しくいっぱい出てきました。でもうれし泣きだったからすごく、本当にうれしかったです」(美里)
「今年は最後まで頑張ること、この大会の前にもすごく毎日、日々の練習にすごく力を出している。本当にまだ頑張りたいことがいっぱいありますけど、できたという気持ちはすごくいい感じでした」(尊)
四大陸は3組が出場する
次戦の四大陸選手権は2人にとって4回目の出場となる。
日本勢は小松原組に加えて、初出場となる田中梓沙・西山真瑚組、吉田唄菜・森田真沙也組が出場する。
この大会の成績が、1枚しかない世界選手権の切符に大きく近づく。

その四大陸選手権に向けて、2人はこう意気込む。
「国際試合で初めて日本の3組が一緒に出場する。まだ自分たちが一体どれくらいできるのか、選手としてどう練習していくか、楽しみです。
本番もみなさんがドキドキして応援してくださると思うので、自分の力を出していきたい」(美里)

「四大陸は一緒に練習している“あずしん”と、多分モントリオールで練習している組が7組くらい出場するかもしれないんですけど、みんなで一緒に頑張れたらいいなと思っています」(尊)
この四大陸選手権には、男子は鍵山優真、初出場となる山本草太、佐藤駿、女子は去年に引き続き千葉百音、2022年の四大陸で優勝した三原舞依、2年連続の渡辺倫果。
ペアは久しぶりの実戦復帰となる、三浦璃来・木原龍一組、アイスダンスは2年連続4回目の出場の小松原美里・小松原尊組、初出場となる田中梓沙・西山真瑚組、吉田唄菜・森田真沙也組が出場する。