1月30日から中国・上海で行われる四大陸フィギュアスケート選手権。
アフリカ・アジア・アメリカ・オセアニアの4つの大陸の選手が出場資格を持つ大会だ。
日本からは2023年末の全日本選手権での代表選考会を経て、男女シングル各3名、ペア1組、アイスダンスから3組が代表として選出された。
男子代表の一人、佐藤駿は2023年12月の全日本選手権で5位に。
去年3位だった四大陸選手権の代表に今年も選ばれた。今年は優勝を狙いつつも、ベストな演技をしたいと意気込む。
磨いた表現力が光ったフリーに
年末の全日本選手権は大激闘を繰り広げた。
大会前、佐藤は年々ハイレベルになっていく日本のフィギュア界に刺激を受け、その中で戦っていく決意を示し、「トップを目指す」と意気込んでいた。
しかし、ショートで全てのジャンプを降りるも89.80点に。不本意な結果に首を傾げた。
SP5位スタートのフリーは、北京五輪アイスダンス金メダリスト、ギヨーム・シゼロンの振付で進化を遂げたプログラムだ。
最終グループ2番滑走の佐藤は、冒頭の大技4回転ルッツで出来栄え点（GOE）+3.78点の高評価を獲得する。
「2022年の全日本では転倒してしまったので、今回は降りることができて、とてもうれしく思っています」
その後の4回転も難なく決めてみせ、ミスを最小限に抑え、磨いてきた表現力が光ったフリーになった。
自身も手応えを感じたのか、演技後には「やってやったぞ！」という思いで拳を握りしめて、観客席の方に向けていた。
この先も戦うメンバーの中で上位になれた
「本当に、順位とか結果ももちろん大事だとは思うんですけど、それ以上に、なんて言うんだろう。
このすごいメンバー達と戦うことができて、それだけでも本当に光栄なこと。みんな良い演技をしている中で、僕も良い演技ができたのがすごくうれしいです」
結果は5位となり、初の表彰台は叶わなかったが、佐藤の顔はすっきりしていた。
2年連続となる四大陸の派遣が決まった翌日、全日本を振り返ってもらいつつ、四大陸に向けての意気込みを聞くと、佐藤はすでに来シーズンへ焦点を当てていた。
全日本を終えて、まず「この大会を良い形で終わることができて、すごくうれしく思っています。四大陸選手権の代表に選ばれることができて、すごく光栄なことかなと思っています」と喜びを語る。
「今大会（全日本）は、世界選手権なんじゃないかってくらい、本当に全員良い演技で、ちゃんと合わせてきているのがすごいと思います。その中で自分も上位に来れているのかなと思うので、それはうれしいです。
これからも、これから先も何年も一緒に戦っていくメンバーになると思う。僕もここで満足したわけではないので来シーズン、そして、再来年と徐々に追いつけていけるように頑張りたい」
ショートに4回転ルッツを検討
そして、佐藤は来シーズンに向けて、ショートに4回転ルッツを取り入れる考えもあると話した。
「ショートを4回転ルッツに変えていこうかなと。フリーに関してはまだ変えようか悩んでいるんですけど、まずはショートを変えていけたら。
（フリーは）フリップになるかわからないですけど、4回転4本の構成は絶対に必須になる。来シーズンは4回転4本の構成でいきたいなと思っているので、まずは今シーズン、どこかの試合で4回転4本に挑戦を1回でもできたらうれしいなと思います」
来シーズンを見定めて、難易度を上げる予定の佐藤。
去年の四大陸では3位表彰台にのぼった。
「もちろん優勝を目指していますけど、それは一旦置いておいて。まず、自分のベストな演技をして、お客さんや見てくださっている人たちが感動してくれるような、そんな演技ができるように頑張りたい」
この四大陸選手権には、男子は鍵山優真、初出場となる山本草太、佐藤駿、女子は去年に引き続き千葉百音、2022年の四大陸で優勝した三原舞依、2年連続の渡辺倫果。
ペアは久しぶりの実戦復帰となる三浦璃来・木原龍一組、アイスダンスは2年連続4回目の出場の小松原美里・小松原尊組、初出場となる田中梓沙・西山真瑚組、吉田唄菜・森田真沙也組が出場する。
