1月30日から中国・上海で行われる四大陸フィギュアスケート選手権。

日本からはアイスダンスが3組出場する。

先日、この大会で最上位の日本代表カップルが3月の世界選手権の代表に選ばれることも決まった。

2023年末の全日本選手権で、結成1年目ながら3位表彰台にのぼった、“うたまさ”こと吉田唄菜・森田真沙也組が初めて四大陸選手権に出場する。

結成4カ月でつかんだ全日本への切符

2023年11月に行われた、全日本選手権の予選会、西日本選手権で当時結成4カ月だった“うたまさ”が優勝し、初めての全日本出場を決めた。

その全日本では、出場カップル6組による抽選の末、5番滑走となる。

リズムダンスはスピード感のある演技で会場を魅了する。

スピード感のあるリズムダンスは3位に(2023年全日本選手権)
スピード感のあるリズムダンスは3位に(2023年全日本選手権)
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しかしツイズルでミスが出てしまい、3位スタートとなった。

だが、演技構成点(PCS)が同じく結成1年目で、リズムダンス1位の田中梓沙・西山真瑚組と同率に。

さらにスケーティングスキルでは、全体トップに輝いた。

「不死鳥」がテーマのフリーダンスは1位に(2023年全日本選手権)
「不死鳥」がテーマのフリーダンスは1位に(2023年全日本選手権)

逆転優勝を誓ったフリーダンスは「不死鳥」がテーマのプログラム。

強く美しく演じ、リズムダンスでミスがあったツイズルもこらえた。

氷上で不死鳥が羽ばたく(2023年全日本選手権)
氷上で不死鳥が羽ばたく(2023年全日本選手権)

フリーダンスでは1位となり、ハイスコアをマーク。

キスクラで涙を浮かべた森田は、感動で涙が流れたと語る。

キスクラで涙を流す森田(2023年全日本選手権)
キスクラで涙を流す森田(2023年全日本選手権)

「唄菜ちゃんも、そして先生の言葉で、僕自身の可能性を信じてくれるような発言がたくさんあった。

その期待に応えたいと思ったり、最後の最後まで信じてもらえたことも、僕も信じることができたので、すごく感動しました」

3位表彰台の全日本で「収穫あった」

全日本は、全体3位で終えた“うたまさ”。

「緊張して最初のポーズから足が震えてしまいました。要素を1つ1つ、丁寧にやっていくしかないと思ったので、1つ1つ集中しながら滑り切ることができて、大きなミスなく終えることができたので、すごく楽しかったですし、よかったなと思います」(吉田)

フリーダンス前にコーチらと話す2人(2023年全日本選手権)
フリーダンス前にコーチらと話す2人(2023年全日本選手権)

「RDのミスもありつつ、シニアというすごいプレッシャーがある中で、自分たちの演技をやりきれたと思いますし、小さなミスもあったんですけど、最後の最後まで唄菜ちゃんと滑り切れてよかったです」(森田)

アイスダンスで激闘した夜、“うたまさ”の四大陸選手権への派遣が決まる。

演技後、インタビューに応じたうたまさ(2023年全日本選手権)
演技後、インタビューに応じたうたまさ(2023年全日本選手権)

一夜明けて、メダリスト・オン・アイスに出演した際に改めて話を聞くと、2人は次の四大陸選手権に向け、気を引き締めていた。

「昨日、順位を知った時は結構悔しかったんですけど、しっかりと受けとめて。次はもっと良い演技で、自分たちの実力を出し切って、結果もついてくるように。もっともっと頑張らないといけないなと考え直せたので、これからまた練習を頑張っていきたい」(吉田)

「率直にうれしく、たくさん収穫があった大会だったと思うので、すごく良い経験になりました。次に生かせるように、今後どうやって練習していくか改めて考えたい」(森田)

四大陸は「世界で実力をみせつけたい」

四大陸は“うたまさ”にとって、初めてのISUチャンピオンシップスになる。

そのため森田は「日本でも小さい方なので、世界で見ても小さい方だと思うので、世界の選手と比べても見劣りしないような、大きくて見応えのある演技をして、点数にも順位にもつなげていけるような演技をしたい」と次戦までの課題を挙げた。

表彰式前、笑顔を見せるうたまさ(2023年全日本選手権)
表彰式前、笑顔を見せるうたまさ(2023年全日本選手権)

スピードと若さが武器だという吉田は、「とても楽しみで、そこでもしっかり自分たちの実力を、さらにレベルアップして“私たちの成長は止まらないんだぞ”と、世界にしっかり見せつけたい」と意気込む。

手を握ってリンクに向かったうたまさ(2023年全日本選手権)
手を握ってリンクに向かったうたまさ(2023年全日本選手権)

森田は「僕も楽しみですし、自分たちがどこまで世界に通用するのかを見られる、スタートラインだと思うので、全力で自分たちを出し切りたい。大きな舞台でも、ちゃんと自分たちの実力を出し切れるように頑張ります」と話した。

この四大陸選手権には、男子は鍵山優真、初出場となる山本草太、佐藤駿、女子は去年に引き続き千葉百音、2022年の四大陸で優勝した三原舞依、2年連続の渡辺倫果。

ペアは久しぶりの実戦復帰となる三浦璃来・木原龍一組、アイスダンスは2年連続4回目の出場の小松原美里・小松原尊組、初出場となる田中梓沙・西山真瑚組、吉田唄菜・森田真沙也組が出場する。

フィギュアスケート取材班
フィギュアスケート取材班