1月30日から中国・上海で行われる四大陸フィギュアスケート選手権。
アフリカ・アジア・アメリカ・オセアニアの4つの大陸の選手が出場資格を持つ大会だ。
日本からは2023年末の全日本選手権での代表選考会を経て、男女シングル各3名、ペア1組、アイスダンスから3組が代表として選出された。
今大会、アイスダンスは3組が代表として出場。先日、この大会で最上位の日本代表カップルが3月の世界選手権の代表に選ばれることも決まった。
そのアイスダンス代表の一組が“あずしん”こと田中梓沙・西山真瑚組だ。
結成1年目にして、2023年末の全日本選手権で2位表彰台にのぼった2人。初めて四大陸選手権に出場する。
初出場の全日本でRD首位発進
今季は新カップル2組が誕生し、12月末の全日本でアイスダンスは6組が出場。
北京五輪代表の小松原美里・尊組と熱戦を繰り広げた。
“あずしん”はそれぞれ、シングルでも全日本に出場したスケーターだ。

表現力に定評があった2人は、2023年5月にカップルを結成。
その後、小松原美里・尊組と同じカナダ・モントリオールを拠点にし、国内デビュー戦となった全日本につながる西日本選手権で2位になる。
そんな2人にとって、アイスダンスで初めての出場となった全日本選手権。

リズムダンスでは『スーパーマリオブラザーズ』のゲーム音楽に合わせて、独特の世界観を表現した。

マリオとルイージの赤と緑の衣装で息ぴったりの演技を披露すると、得点は71.28点に。
小松原組を抑え、リズムダンス首位発進した。
シングルとは違った経験ができた
「シングルで出ていた全日本と一味違いました。多くのお客さんが拍手をくださるので、温かい会場だなという印象が、シングルの頃からありました。
それプラス、スケーティングで自分たちの世界に引き込むエキシビションのような、そんな空気を感じました」(田中)
「去年シングルで全日本に出て、今年はアイスダンスで出て、全日本の緊張感は同じですが、アイスダンスは2人で出られるので心強い。
2人で共有した緊張が大きなエネルギーになった」(西山)

そして、最終滑走で迎えたフリーダンスではキャラクターを一転。
フリーダンスで『ジゼル』を優雅に演じた。

細かいミスはあったものの、堂々とした滑りを披露し、優勝こそ届かなかったが、小松原組に次ぐ、2位表彰台にのぼった。
全日本を振り返り、田中は「メダルをいただけたことはすごくうれしいです」と結成1年目で表彰台にのぼることができたことを喜ぶ。
西山も「今回の全日本の目標は表彰台にあがって、できるだけ高い位置につくことだったので、そのなかで銀メダルを獲れてとてもうれしいです」と語った。

その上で、西山は全日本ではシングルで経験できなかったことを、アイスダンスでできたと話す。
「長野に入ってから調子があまり良くなかったりしました。あとはフリーで、今回みたいに最終滑走に入っていたり、今まで自分たちが経験したことのない経験の中でも、ちゃんと演技をまとめてうれしい形で大会を終えられたのが収穫かなと思います」
もっともっと上を目指す
初出場となる四大陸選手権に向けて、2人はこう意気込む。
「まず2人で、この大会の課題点を見つけて、それを練習で克服できるように、もっと上達してけるように頑張りたい」(田中)
「今シーズン、自分たちが課題にしてきたことと、今回の大会で得た新しい課題や、逆に達成できたことを踏まえて、これからの大会でもっと強くもっと演技ができるように練習していきたい」(西山)

アイスダンスの激戦から翌日、メダリスト・オン・アイスに出演する予定だった“あずしん”だったが、練習中に田中がケガをしてしまう。
開演前に主催者が「練習中のケガのため、出演を見送ることとなりました」と発表。
西山は自身のインスタグラムのストーリーを更新し、「あずさちゃんの手術がうまく成功しますように」と田中の回復を願った。
回復は順調のようで四大陸選手権には間に合いそうだという。
中国で繰り広げられる日本アイスダンス界の大激戦から目が離せない。
この四大陸選手権には、男子は鍵山優真、初出場となる山本草太、佐藤駿、女子は去年に引き続き千葉百音、2022年の四大陸で優勝した三原舞依、2年連続の渡辺倫果。
ペアは久しぶりの実戦復帰となる、三浦璃来・木原龍一組、アイスダンスは2年連続4回目の出場の小松原美里・小松原尊組、初出場となる田中梓沙・西山真瑚組、吉田唄菜・森田真沙也組が出場する。