秋葉忠宏 監督が留任し、1月9日には新シーズンの初練習を行った清水エスパルス。クラブ史上初めて2年連続でJ2を舞台に戦うエスパルスにとって、2024年は勝負の年となる。J1復帰のカギを握る選手を探った。

チーム残留を決断…今季こそJ1昇格へ

2024年でプロ3年目を迎えたDF・山原怜音。筑波大学在学中の2021年、特別指定選手としてエスパルスに在籍しJ1デビューを果たすと、正式加入した2022年にはリーグ戦(J1)に33試合出場。

2023年はケガの影響で4月から7月まで戦線離脱を余儀なくされたが、8月に復帰するとすぐにレギュラーメンバーに戻った。

しかし、目標としていた「1年でのJ1復帰」は叶わずじまい。

このため去就が注目されたが、山原はチームに残ることを決断。

そして、背番号を「2」から「14」へと変更した。

大学時代に「一番成長した」という思い出の番号とのことで、気持ちを新たに“攻守で型にはまらないサイドバック”として存在感を示したいと願い出た。

山原の描く目標は、選手として年間を通して戦えることを証明するとともにチームのJ1復帰を実現させること。

その意気込みを聞いた。

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チームに貢献するという責任感持って…

-2024年に懸ける想いは?
清水エスパルス・山原怜音 選手:
2023年も言ったが、このチームの一員としてエンブレムを背負いプレーする2024シーズン、目標は「J1昇格」以外ないと思うので、ぶれずにそこを意識してやりたいと思う。

そのためにはケガをしないこと。自分はそこが強みだったけれど2023年はしてしまった。

自分の特徴を発揮するためにも「年間を通してタフに戦える選手になる」ということが僕のプレーヤーとしての価値だと思う、まずはそこを体現したい。

とはいっても(プロ)3年目、大学時代を含めると4年目でもっともっと貢献していきたい。チームを勝たせなければならないという思いもある。

目標とするなら2桁アシストをしたいし、それくらいチームに貢献したいという責任感を持ってやりたい。

ただ一番大事なのは、たとえ目標に届かなかったにしても守備で隙を作らないで勝利に貢献すること。そこを第一に考えたい。

一方で、自分は長所を出して行くことを求められている。攻撃面でも、試合でも、消えている時間がないように常に自分が存在感を出して、ボールに関わり続けているというか、直接自分がボールを受けることだけではなくて、ボール以外のランニングとかコミュニケーションや声掛けとか、ピッチ上で仕事をし続けることを示していきたい。

兄から勧められた漫画に憧れて…

-背番号の変更については?
清水エスパルス・山原怜音 選手:
大学時代から14番をずっとつけていて、自分の中で気に入っていて、1年目からつけたい番号ではあった。でも1年目・2年目は埋まっていた状況だったのでつけていなかったが、白崎選手が背番号を変更して14番が空いたと耳にしたタイミングで希望した。

大学時代とすべてが同じとは思っていないが、ただ気に入っていた背番号をつけていたときが一番濃かった、一番成長したシーズンだったので、気持ちよく2024シーズンに入りたかった。

あと、「ファンタジスタ」というサッカー漫画を兄に勧められ読んだ時に、その主人公が14番をつけていたことが大きい。自分を“ファンタジスタ”とは思わないが(笑)

好きになった漫画の主人公がつけていた14番が影響したと思う。ちなみに大学2年の時に「14」、3年では「2」、そして4年で「14」に戻した。直接見てはいないが「クライフ(=元オランダ代表/ヨハン・クライフ)が14番」というのは知っていた。

レベルアップしたプレーをするために

-単なるサイドバックの枠にはまらない選手を目指す?
清水エスパルス・山原怜音 選手:
その意識はある。大学時代は中盤とサイドバックの両方やっていたし、プロになってから自分の存在感を示すために多少プレースタイルを変えたところもあったが、元々サイドバックをやりたての頃は“型にはまらないサイドバック”で、何でも出来た感じ。

縦にガンガン行くけど、中に入ってもプレーできるし、スルーパスも出せるし、パス&ゴーもできる。

そんな意味を込めて大学時代に14番をつけていたイメージがある。今も改めてレベルアップしたプレーをするためにつけたいと思ったので、サポーターの方にはそういった事情で背番号を変更したと理解して応援してくれるとうれしい。

ケガも癒え調整は順調…「体調は良い」

-2023シーズン・昇格プレーオフ前のケガの具合は?
清水エスパルス・山原怜音 選手:
このオフに痛みも取れたので問題ない。年末クラブハウスでリハビリしたが走るのは問題なく、ボールを蹴るときに多少の違和感があったがもう消えた。

大学の時もクリスマスくらいまで試合があって、年明けの始動も早かったのだが、プロ1年目の時のオフはとても長く、2023年のスタートでは体が多少重かった。

なので、2024年は早めに体を動かし始めていた。そのせいか体も動くし、ここから強度が上がってくると思うが、今のところ体調は良いので期待して欲しい。

(テレビ静岡 報道部スポーツ班・外岡哲)

テレビ静岡
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外岡哲
外岡哲

テレビ静岡 報道部スポーツ業務推進役(清水エスパルス担当)。
1984年テレビ静岡入社。
1987年~1994年(主に社会部や掛川支局駐在)
2000年~2002年(主に県政担当やニュースデスク)
2021年~現在(スポーツ担当)
ドキュメンタリー番組「幻の甲子園」「産廃が街にやってくる」「空白域・東海地震に備えて」などを制作。
清水東高校時代はサッカー部に所属し、高校3年時には全国高校サッカー選手権静岡県大会でベスト11。
J2・熊本の大木武 監督は高校時代の同級生。