秋葉忠宏 監督が留任し、1月9日には新シーズンの初練習を行った清水エスパルス。クラブ史上初めて2年連続でJ2を舞台に戦うエスパルスにとって、2024年は勝負の1年となる。J1復帰のカギを握る選手を探った。

ビルドアップが魅力のDFがエスパルスに

期限付き移籍で2024シーズンからエスパルスに加わった蓮川壮大。FC東京のユース出身で、明治大学時代には全日本大学サッカー選手権でMVPを獲得。

2021年に馴染み深いFC東京に加入すると、期限付き移籍により2022年はJ2(当時)・いわてグルージャ盛岡で、2023年はJ2・ヴァンフォーレ甲府でプレーした。

身長182cm・体重82kgとフィジカルのバランスが良く、1対1の強さが売りの選手だが、蓮川の特徴はそれだけではない。何といっても視角的な情報を瞬時に判断して相手の弱点を探し出し、素早く相手を剥がしてドリブルを仕掛け、優位な展開を組み立てるビルドアップ能力が魅力だ。

現に本人も「1対1の強さとボールの持ち運びがストロングポイント」と断言している。

ただ、それでも「技術はまだまだ足りない。せっかく周りに上手い選手がいるので、良いものを盗んでトレーニングして行きたい」とどん欲な姿勢を示す。

秋葉忠宏 監督が掲げる“90分間走り切れる”選手に成長できるのか…向上心あふれる若者はレギュラー獲得に向けて日々グラウンドで汗を流している。2024シーズンに向けた意気込みを聞いた。

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サポーターの熱い応援に胸を高鳴らせ

-エスパルスに加わった印象は?
清水エスパルス・蓮川壮大 選手:
まず、基礎技術が高い選手が多いなという印象で、練習の質だったり、スピード感とか、今までに経験したレベル以上だった。そういう意味ですばらしいチームというか、そんなイメージはずっとあったが、プレーしてみて、自分自身のレベルアップにもつながるすばらしいチームだと練習をして感じた。

場所も、芝もいいし、クラブハウスの設備もサッカーに100%向き合える環境だと感じたので、自分自身も成長できる場だなと感じている。

エスパルスの応援はすごいのでモチベーションも上がるし、芝も(甲府の選手として)2023年にプレーした中では一番いい芝だった。あのスタジアムでやれるのは憧れというか、すごく楽しみ。

アウェーでもすごくたくさんのサポーターが来てくれるのがエスパルスの特徴で、そういった応援で一緒に戦えるというのは選手にとっても心強いことなので早く試合がしたい。

“個で剥がす”プレーに着目を

-センターバックとしてのストロングポイントは?
清水エスパルス・蓮川壮大 選手:
身体能力を活かしたプレーが得意なので、スピードで負けないとか、1対1で抜かれないとか、持ち運びのところは自分の特徴だと思っているので、“個で剥がす”というところは意識してトレーニングしてきたので、そこを含めてチームのためにやっていきたい。

持ち運びが得意なのは能力のところもあるので、スピードだったり、目の前のフォワードだったり、サイドハーフに負けなければ、そこで“一枚剥がせる”という感覚でやっている。

技術はまだまだ足りないので、しっかりトレーニングして、せっかく周りに上手い選手がいるので、良いものを盗んでトレーニングして行きたい。

エスパルスの“絶対的選手”を目指して

-ボールを丁寧に扱っているように見えるが?
清水エスパルス・蓮川壮大 選手:
相手と仲間のポジションが関係するが自分の形というのがある。そこはこだわって突き詰めていきたいと思っている。まだ足りないところは多い。せっかくこの環境でサッカーができるので、(高橋)祐治さんだったり、いいお手本がいるので、そこを盗んで成長していきたい。

他人に負けないものはあるので、それを本当にやり通す。

技術の高い選手やアイデアを持っている選手がいるので、それをうまく盗みながら自分の長所を伸ばしつつ、足りないところは他人から盗んで真似して、まだまだの力だと思っているのでエスパルスの“絶対的選手”になれるようにやっていきたい。

背番号は“お手本”を意識して

-今までで一番影響を受けた選手は?
清水エスパルス・蓮川壮大 選手:
(元FC東京でエスパルスでもプレーした)吉本一謙 元選手。今はFC東京で強化の仕事をしているが選手時代はエスパルスにも所属していた。甲府時代を含めてずっとアドバイスをしていただいた。FC東京U-23のJ3時代の高校生の時、一緒にプレーしていたこともあり、気持ちの面や守備のお手本として影響を受け、今回選んだ背番号「4」はエスパルスで吉本さんがつけていた番号を意識してのもの。

明るくいこうとのメッセージ込め金髪に

-金髪にしている理由は?
清水エスパルス・蓮川壮大 選手:
目立つのが一番。家族が来ても分かりやすいと言われている(笑)それと明るくいこうというメッセージを含めて毎年シーズン初めに金髪にして、途中で髪色を変えたり。改めて心機一転というところで明るくしている。自分自身、大人数でワイワイしたいというタイプではないが基本は明るいタイプ。

チームで良く話をするのは菊地選手、あと山原選手とか。山原選手は大学時代に対戦しているし、学生選抜でも一緒だったから。練習で声を一番出しているのは(乾)貴士くん。盛り上げてくれるし、うるさいくらい(笑)。ああいうベテランが声を出してくれるとチームの士気も上がる。(吉田)豊さんとか(高橋)祐治くんも雰囲気を作ってくれてチームとしてはとてもいいこと。

失点しないことにこだわりを持ち

-J1昇格を目標とするチームに貢献していくイメージは?
清水エスパルス・蓮川壮大 選手:
センターバックというのは“最後の砦”ではないが、失点をしなければ負けないというのはサッカーの基本で、確実に勝ち点も挙げられる。

“自分が”ではなく、“チームとして”勝っていけるように、自分の役割をはっきりさせて、まずは守ることが自分の仕事。その上でビルドアップやポゼッションがある。まずは失点しないところにこだわって1年間戦っていきたいと思う。

(テレビ静岡 報道部スポーツ班・外岡哲)

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外岡哲
外岡哲

テレビ静岡 報道部スポーツ業務推進役(清水エスパルス担当)。
1984年テレビ静岡入社。
1987年~1994年(主に社会部や掛川支局駐在)
2000年~2002年(主に県政担当やニュースデスク)
2021年~現在(スポーツ担当)
ドキュメンタリー番組「幻の甲子園」「産廃が街にやってくる」「空白域・東海地震に備えて」などを制作。
清水東高校時代はサッカー部に所属し、高校3年時には全国高校サッカー選手権静岡県大会でベスト11。
J2・熊本の大木武 監督は高校時代の同級生。