秋葉忠宏 監督が留任し、1月9日には新シーズンの初練習を行った清水エスパルス。クラブ史上初めて2年連続でJ2を舞台に戦うエスパルスにとって、2024年は勝負の1年となる。J1復帰のカギを握る選手を探った。

心無い誹謗中傷…それでも残留を選択

2023シーズンに加入した高橋祐治はリーグ戦の30試合以上に先発出場。鈴木義宜と共に強固なディフェンスラインを築きあげ、失点数は34と東京ヴェルディに次ぐ高成績だった。

一方、リーグ最終節では水戸に先制を許すきっかけとなったパスミス、さらにJ1昇格プレーオフ決勝では試合終了間際にペナルティエリア内でファウルを犯すなど失意のどん底に。自身のみならず家族にまで心無い誹謗中傷が寄せられ、心に大きな傷を負った。それでも、高橋はエスパルスに残り、再びJ1昇格に向け力を尽くす道を選んだ。

2024シーズンは主力選手の一部が移籍したほか、若手選手の加入、さらにレンタル先からの復帰もあり、チーム内では精神的支柱としての役割を担う立場にもなる。秋葉忠宏 監督のもと、勝ち切れるチーム、さらには90分間走り切れるチームへと押し上げ、今度こそ笑顔でシーズンを締めくくることができるのか…改めて意気込みを聞いた。

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コンディションは「もっと良くなる」

-現在の体調は?
清水エスパルス・高橋祐治 選手:
個人的にも徐々に走ってきたので(体が)重い感じはしないし、良い状態じゃないかと思うし、もっと良くなるという感じがある。新しいフィジカルコーチ(古邊考功コーチ)が来て、みんなコンディションが上がっているんじゃないかと思う。

J2優勝…そしてJ1昇格をつかみ取る

-2024年にかける想いは?
清水エスパルス・高橋祐治 選手:
2023年は本当にチームとしても個人としてもサッカー人生としては一番つらい思いの出来事だったし、それを、2024年は笑顔で終われるようにJ2で優勝してJ1昇格をつかみたいと思う。個人的に怖いものはないので、どんどんチャレンジしてやっていきたいと思う。

エースの移籍は痛手だが…

-移籍がチームに与える影響は?
清水エスパルス・高橋祐治 選手:
攻撃面では点取り屋のチアゴ・サンタナを抜かれたことは痛いし、チーム全体にとってもチアゴは大きな存在だった。ピッチ外でもいいキャラクターになっていたのですごく寂しい思いもある。

だが、若い選手も多く入ったり、戻ったりしているし、これをチャンスだと思ってみんなで点を取れるような形をどんどん作って行けたらいいと思う。

また、自分より年上の選手が何人かいなくなった。残ったベテランはみんなチームを引っ張るつもりでいるし、しゃべるなり、背中で見せるなり違ったやり方でやろうとしている。あまり意識しなくても全員がやっていることなので変わらず続けたい。

大切なのは “サボらない”こと

-秋葉監督が掲げる勝ち切れる、90分間走り切れるチームになるためのポイントは?
清水エスパルス・高橋祐治 選手:
本当にサッカーの本質的なところだと思うし、やはり、2023年は残り数分、勝ち点1差とか、あと1試合だとか、そういう際で僕たちは泣いたので、そういうところにこだわって、パス1つにしろ、ちょっと走るにしろ、“ちょっとでもサボったらやられる”という危機感を持ちながら全員でやれば、必ず勝利が自分たちに来ると信じているし、自分はそこをやっていきたいと思う。

90分間走り切れるというのは、ただ走っているだけではなくて、考えながら走るというのが重要だと思う。ボールの位置から相手よりも先にポジションを取ったり、守便面でもサボらずに本来の位置に戻れるのかとか、そういうところが問われる。一瞬一瞬、全員がサボらずにやれれば強いチームになれると思う。

個人の能力が高いという点について2023年からも言われていたが、結果としてJ1に上がれなかった。自分も含めて全員の能力をJ1でも戦えるレベルにしなくてはいけないし、全員が向上心を持って、本当にそれをやって行かないと強いチームになれない。個人から全体のベースをどんどん上げていくのが大事。

「僕自身も笑顔で終わりたい」

-サポーターへのメッセージは?
清水エスパルス・高橋祐治 選手:
2023年は本当に悲しい思いをさせた。最後のプレーオフ、皆さんが泣き崩れているところを目に焼き付けている。2024シーズンは必ず笑顔にしたい。僕自身も笑顔で終わりたいと思う。最後にみんなで喜べるように頑張りたい。

(テレビ静岡 報道部スポーツ班・外岡哲)

テレビ静岡
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外岡哲
外岡哲

テレビ静岡 報道部スポーツ業務推進役(清水エスパルス担当)。
1984年テレビ静岡入社。
1987年~1994年(主に社会部や掛川支局駐在)
2000年~2002年(主に県政担当やニュースデスク)
2021年~現在(スポーツ担当)
ドキュメンタリー番組「幻の甲子園」「産廃が街にやってくる」「空白域・東海地震に備えて」などを制作。
清水東高校時代はサッカー部に所属し、高校3年時には全国高校サッカー選手権静岡県大会でベスト11。
J2・熊本の大木武 監督は高校時代の同級生。