例年12月には冬眠するはずのクマの出没が全国で相次いでいる。この予想外の事態に、専門家も驚いており、2月ごろまで出没が続く可能性もあるという。

車の前を全速力で横切るクマ

広島県庄原市で10日に撮影されたドライブレコーダーの映像。

この記事の画像(19枚)

車の前を勢いよく横切ったのはクマだ。

目撃者:
急に現れて、こっちにぶつかってくるのかなと思った

2023年は全国各地でクマの出没が相次いだ。広島県では住宅地でも度々目撃されたほか、廿日市市内では防犯カメラに姿が捉えられていた。

また、広島市安佐動物公園では野生のツキノワグマの親子が出没し、園の一部を封鎖する事態になった。

そうした”脅威”は例年”冬眠している”はずの12月に入ってからも全国で続いている。

警察官:
避難してください!早く早く!

北海道芦別市では、痩せたメスのクマが雪の中を走り回るという、例年ではありえない光景があらわれた。冬眠前に十分に食糧を食べられずに人里に出てきたとみられている。

石川県白山市では、クマに襲われ男女3人がケガをした。

広島県でも例年12月には冬眠するため、目撃数は少なくなっているのだが…。

”エサ不足”の影響か、これまであまり目撃されていなかったエリアにまで出没する事態になっている。

広島県庄原市での目撃者:
体長1mくらいかな…生まれて初めてですね。犬とかのスピードじゃなく相当速かった

後部についたカメラを見ると、クマは住宅のほうへと入って行った。

 

広島修道大学人間環境学部 奥田圭准教授:
クマのサイズが大きいのと、そこまでガリガリの個体ではないので、栄養状態がいいクマとみてとれる。この時期は基本的に冬眠の時期に入るので、今年は例年にない状況になっているというのは確かなのかなと思う

冬眠しないクマ、2月まで出没の可能性も

広島県庄原市では現時点で12月に入り、7件の目撃情報などが寄せられている。

一方、呉市でも24日、体長1m50cmほどのクマとみられる動物の姿が目撃された。呉市によるとこの地域での目撃情報はこれまでほとんどなく、25日から猟友会とともにクマを探したが、痕跡も見つからなかった一方で、近くでは体の黒いイノシシが生息していることが確認された。

奥田准教授:
東北地方でも、まだクマがでるという状況ですので、西日本のほうではさらに長くなることが考えられるので、年明けもしくは2月まで入り込むのも十分に考えられる

Q:冬眠をしない可能性も?
奥田准教授:
そういうクマも、もしかしたら、出てくる可能性も考慮していかないといけないと思う

私たちにできる対策としては、
・クマに遭遇したら、後ずさりして人間が視界に入らないようにする
・柿や栗の木を切るなど、クマが来ないような環境づくりを人間側がする
ということだ。

(テレビ新広島)

テレビ新広島
テレビ新広島

広島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。