崩れたクリスマスケーキ問題をめぐり、高島屋が27日、記者会見を行った。
ところが、ケーキが崩壊した明確な原因は特定できなかったとしたうえで、これ以上の調査は困難だと発表した。

早すぎる調査終了に、崩れたケーキが届いた人は「ちょっともやっとはしましたね。すべての購入者の方たちは、納得する結果ではなかったんだろうな」と話す。

「原因特定は不可能」高島屋の判断にケーキ購入者は…

27日午前11時半から始まった高島屋の記者会見。
高島屋の横山和久専務は「多くのお客様の期待を裏切る結果となってしまいましたこと、深くおわび申し上げます」と述べ、深々と頭を下げた。

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高島屋は、クリスマスケーキの一部が「崩れた状態で届いた」との報告が相次いだことを謝罪し、26日午後8時までに807件の破損を確認し、苦情や問い合わせが1207件寄せられたことを明かした。

問題を受け、高島屋はケーキを製造し冷凍した埼玉・羽生市の菓子メーカー「ウィンズ・アーク」と、配送を請け負ったヤマト運輸の調査を実施。
会見で調査結果が公表され、ケーキの製造から配送までの全工程で、温度管理は適切だったとの報告を受けたと説明した。

高島屋は「明確な原因の特定は不可能」と結論づけた
高島屋は「明確な原因の特定は不可能」と結論づけた

この結果を受け、高島屋は、明確な原因の特定は不可能であると結論づけ、これ以上の調査は困難だと発表。
会見で、横山専務は「調査報告を受けまして、総合的に確認いたしました結果、誠に遺憾ながら、原因の特定をすることは不可能という判断に至った次第でございます」と述べた。

会見後、ケーキを製造したウィンズ・アークを取材したが、「申し訳ございませんが、弊社からはお答えができませんので……」ということだった。

調査結果を受け、高島屋は問題のすべての責任を負うとしたが、崩れたケーキが届いた人からは納得がいかないとの声も上がっている。

「調査自体がそんな2日間で終わってしまうってことが疑問が残る」
「調査自体がそんな2日間で終わってしまうってことが疑問が残る」

届いたケーキが崩れていたという女性は、「調査自体がそんな2日間で終わってしまうってことが疑問が残るのと、温度管理的なことには何かトラブルがあったんじゃないのかなと思っていたんですけど、でもそれも問題がなかったとおっしゃるのであれば、じゃあ、ほかに何?とは思いますね」と話した。

ケーキ監修のシェフも「原因知りたい」

ケーキを監修した神奈川・横浜市のフランス料理店「レ・サンス」のオーナーシェフも、会見に注目していた。

オーナーシェフの渡辺健善さんは、「お客さまからちょっと前にも電話いただいて、『記者会見見たんだけど、本当に原因がわからないんですか?』と。あれだけの数とあれだけの壊れ方なので、できれば原因はわかりたいっていうのは僕も同じ気持ちです」と話す。

騒動以来、常連客からの励ましの電話が絶えないというこの店。
現在は、迫るお正月に向けて、高島屋のオンラインストアを通じて販売するおせちの製造が進んでいた。

オーナーシェフの渡辺さんは、「おせちは本当にまったく別の話なので、こんな形になってしまい、本当に申し訳ないと思っています。こうやって起きたことだし、うちの名前なんですけど、それ以上に被害者はうちじゃなくてお客さまなので……」と話した。

高島屋は再発防止に向け、管理体制の改善を図るとしているが、早すぎる調査終了による波紋が広がっている。
(「イット!」12月27日放送より)

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