将棋の八大タイトルの最高峰「竜王戦」で3連覇を果たした藤井聡太竜王が、12月5、6日の2日間、秋田・大仙市を訪れた。防衛をたたえるイベントに出席したほか、市民とのふれあいを楽しんだ。

幻となった対局を大仙市の市長と再現

将棋の藤井聡太竜王は、大仙市角間川町の旧本郷家住宅で地元の子どもたちに出迎えられた。

第6局が行われる予定だった旧本郷家住宅
第6局が行われる予定だった旧本郷家住宅
この記事の画像(11枚)

竜王戦が第6局までもつれれば、旧本郷家住宅で対局が行われる予定だったが、藤井竜王が無傷の4連勝で2度目の防衛に成功し、対局は「幻」となった。

藤井竜王は、戦いの場として予定されていた和室で、大仙市の老松市長などと対局を再現した。

初めて訪れた秋田の印象について、藤井竜王は「12月の初旬なのに雪が結構積もっていて、秋田に来たんだなあという感じがした。大曲の花火が有名なので、この後上げてもらえるということで、すごく楽しみにしている」と話した。

ボタンを押すも花火が打ち上がらず困惑する藤井竜王
ボタンを押すも花火が打ち上がらず困惑する藤井竜王

続いて藤井竜王が姿を見せたのは、市内のスキー場だ。藤井竜王がボタンを押すと花火が打ち上がるはずだったが…機材のトラブルで打ち上げ失敗。

無事打ち上げられた祝福の花火
無事打ち上げられた祝福の花火

気を取り直して再びボタンを押すと、祝福の花火が夜空を彩った。

その後、藤井竜王は市内のホテルで開かれた防衛を祝う会に出席し、県の内外から集まった200人のファンと3連覇の喜びを分かち合った。

藤井聡太竜王:
今期の竜王戦は、お互いの読みが正面からぶつかり合う将棋が多かった。感想戦でも伊藤匠七段と率直に意見交換ができて、本当に収穫と学びの多いシリーズだった。

そして、「休日は何をするのが好きですか」との地元の小学生からの質問に、藤井聡太竜王は「息抜きに電車のシミュレーターゲームをよくやっていて、将棋とはまったく違うものだが、だからこそ気分転換できる。ただ、やり過ぎてしまうこともあって、息抜きのつもりがそれがメインになっていることも時にはあるので、気を付けなければと思っている」と答え、会場の笑いを誘った。

幻の食と大好きな鉄道体験の2日目

滞在2日目のおもてなしは、幻となった「勝負めし」。

11品の中から藤井竜王が選んだのは、チキンライスにとんかつを乗せたボリューム満点の一品「花火のまち大曲のオープンカツ」だ。

藤井聡太竜王:
さっぱりとしたチキンライスと濃厚なカツとソースの相性が抜群で、とてもおいしかった。

続いて訪れたのは、JR大曲駅。大の鉄道好きで知られる藤井竜王に用意されたのは、駅長用の白い制服だ。右手を高くあげ、秋田新幹線こまちに出発の合図を出したほか、除雪用の車両に乗り込み、運転を体験した。

藤井竜王は、初めて見る車両に興奮を隠しきれない様子だった。

藤井聡太竜王:
実際に運転席に座ってみると、計器類も普通の電車と違うところがあったし、走らせた感じも違っていて、すごく楽しい経験になった。

歴史に、食に、大好きな鉄道に触れた大仙市での2日間。藤井竜王は、年明けに控える王将のタイトル防衛戦に向け、力を蓄えられたようだ。

(秋田テレビ)

秋田テレビ
秋田テレビ

秋田の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。