天性の色彩感覚を持ち「感動を売る画家」とも呼ばれている、福岡・太宰府市在住の太田宏介さん(42)。世界進出に向けての第一歩として、台湾で個展が開催された。太田さんの作品に海外の絵画ファンからは称賛の声が相次いだ。
「想像したことのない世界観に感動」
台湾最大の都市、台北。数々の高層ビルが立ち並ぶアジア屈指の大都市だ。福岡から約1,300km離れたこの街で、特別なイベントが開かれた。
この記事の画像(11枚)イベントの来場者をくぎ付けにしていたのは、ピンク色の止まり木が目を引く、ファンタジックなフクロウに…。
赤で力強く縁どられた富士山。黄色いツノが印象的な白サイなどの、色彩豊かな作品の数々。
来場者たちは「すごくピュアでシンプルだけど、インパクトが残る。台湾の人たちにうけるのでは」「想像したことのない世界観に感動。勇気も湧いてきた」と作品に魅了されていた。
見る人の心をつかむ“独特な色使い”
海外の絵画ファンが称賛する絵を描いたのは、ベレー帽がトレードマークの男性。太宰府市にアトリエを構える、太田宏介さんだ。知的障害を伴う重度の自閉症がありながら画家として活躍している。
海外でも高い評価を得る太田さんの作品。型にとらわれない“独自の構図”が見る人の心をつかむ。
大胆なタッチで迷いなく描かれているが、何と、どの作品も、下書きは一切なし。頭の中に広がる世界が、心赴くままに表現されている。そして、すべての作品に共通する最大の特徴が遊び心あふれる“独特な色使い”だ。
人並外れた、天性の色彩感覚を頼りに、時には対照的な色を混ぜ合わせ、新たな色を生み出しキャンバスを彩る。
世界進出への第一歩 台湾での個展開催
宏介さんのアーティスト活動を支える、兄の信介さん(49)は、10年前に大手企業を脱サラし、宏介さんの絵の販売などを行う会社を設立。宏介さんの絵を世界に広めることを目標に掲げてきた。
兄・太田信介さん:
どう見ても自由だなっていうのがあって、「これはダメだ」とか「常識に合っていない」とか、そういうのを感じないと思うんですよね
今回の、台湾での個展開催は、世界進出への第一歩。現地の人たちの反応は、上々だった。
台湾在住の来場者:
彼は世間の教育に縛られず、心で創作し、自分の世界観で表現したい線を描いている
アメリカ在住の来場者:
大好きです。クールだし彼はとても才能がある
来場者からの反応に宏介さんは「うれしかったです!センキュー」と喜びを語った。
兄の信介さんは、初の海外個展で、手応えを感じていた。
兄・太田信介さん:
いちアーティストを楽しんでくれているというか、価値を感じていただいているなというのは肌で感じました。まだスタート地点ですよ。海外デビューって言っていますけど、活躍するにはまだまだ。でも挑戦しているから人に感動も与えられると思うので、そういう画家になれるように努力していきたいと思います
台湾での個展では、宏介さんの作品を購入する人もいるなど好評だったことから、すでにほかの国での開催も検討されているという。太田さんの作品は今後ますます世界へと広がっていきそうだ。
(テレビ西日本)