自民党の安倍派で、派閥の政治資金パーティーの収入の一部が、派閥から所属議員にキックバックされ、裏金になっていたとされる疑惑。

派閥の運営を取り仕切る事務総長の高木国対委員長は、取材に対して「分からない」と繰り返した。また世耕参院幹事長、松野官房長官も疑惑について言及を避けた。

“政治とカネ”で自民激震 

安倍派では、複数の所属議員が派閥から1000万円を超えるキックバックを受けていたとみられていて、関係者によると、10人以上の議員がパーティー券の収入を裏金化していた疑いがあることが新たに分かった。

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その安倍派で現在、事務総長として派閥の運営を取り仕切っているのが高木国対委員長だ。12月4日午後1時過ぎ、裏金疑惑について初めて取材に応じたが…。

記者:
キックバックみたいなものは、安倍派ではあったんですね。

高木国対委員長:
これから慎重に事実関係を確認して、適切に対応してまいりたい。

記者の質問に「分からない」を繰り返した
記者の質問に「分からない」を繰り返した

記者:
事務総長として今、どのように対応されているのか。

高木国対委員長:
会計に関しては関わっておりませんので、何とも言いようがございません。

記者:
安倍派では座長が会計を?

高木国対委員長:
それは分かりません。

記者:
事務局で…。

高木国対委員長:
そこは分かりません。

安倍派の幹部・世耕氏(12月3日)
安倍派の幹部・世耕氏(12月3日)

「分からない」を繰り返す高木氏。安倍派の幹部である世耕参院幹事長も3日、「私自身は派閥の会計に携わっているわけではありませんので、私の立場でお答えすることは不可能だと思います」と述べた。

さらに事務総長経験者の松野官房長官は、4日の会見で「答えを差し控える」と繰り返した。

「長官はキックバッグを受けたことがありますか」との問いにも「言及は差し控える」と述べた
「長官はキックバッグを受けたことがありますか」との問いにも「言及は差し控える」と述べた

記者:
安倍派の幹部としてどのように対応するか。

松野官房長官:
政府の立場としてお答えを差し控えさせていただきます。

記者:
長官はキックバッグを受けたことがありますか。

松野官房長官:
個々の政治活動に関して、政治の立場、政府の立場から言及することは差し控えさせていただきます。

自民党に激震が走るパーティー券裏金疑惑について、政治ジャーナリストの田﨑史郎氏は「今回の規模としては、リクルート事件級の広がりを持つ事件になるのではないかと、政界でも思われています」と話す。

当時、閣僚が相次いで辞任し、竹下内閣が退陣に追い込まれたリクルート事件と同じようになる可能性を指摘。

政治ジャーナリスト 田﨑史郎氏:
会計責任者の一存でできるわけがない。事務総長クラスが、何らか関わっていたと思われる。それも重要な捜査のポイントになります。

岸田首相は4日午後5時ごろ、自民党の麻生副総裁や茂木幹事長と会談。党内からは「派閥政治そのものの瓦解(がかい)の始まりかもしれない」などの声が出ている。
(「イット!」12月4日放送)

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