全国各地で発覚している自治体トップによるパワハラ問題。福岡・宮若市でも市長が職員に「辞めろ」などの発言を繰り返していたことが分かった。パワハラという認識はあったのか、渦中の市長を直撃した。

パワハラととれる数々の発言…

2023年4月、宮若市の塩川秀敏市長(75)が、公用車の中で職員を怒鳴りつける様子を撮影した映像がドライブレコーダーに残されている。

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<ドライブレコーダー映像>

塩川市長:
初めてじゃ、ここに連れてきてから、そんなの。

運転手:
旧友の方とお会いになられたりするところで、やはりこう…、なんていうんですかね、運転手としていったら…。

塩川市長:
運転手やったら自分のスマホ見るんか!すみませんで済むか!

関係者によるとこの直前、随行役兼運転手として一緒にいた市職員が、市長と市長の知人との会話に加わらなかったことに対して叱責したという。
塩川市長のパワハラともとれる発言はほかにもある。

<ボイスレコーダー>

塩川市長:
おっ?仕事なめんなよ!仕事!(※「バンッ!」机をたたく音)仕事があるから飯が食えとろう。仕事をなめたら駄目。とことんやれ、仕事は。いま失敗して、ガンガン言われた方がいい。それが耐え切れないなら辞めろ。

職員:
「辞めろ」は駄目ですよ、発言として。「辞めろ」って言ったらいけんじゃないですか。「辞めろ」っていうことは、「仕事、辞めろ」っていう話なんでしょ?

塩川市長:
この役を務まらんかったら、辞めるしかなかろうもん。

さらに塩川市長は市職員の夫婦が同時に育休取得を申し出た際、担当者に対し「2人同時に育休を取る必要があるのか」などと言ったとされている。

塩川市長のこうした発言を受け、複数の職員が11月27日付で、市の公平委員会に職場環境の改善を申し立てた。

塩川市長を直撃 発言を否定せず

宮若市を揺るがす「パワハラ疑惑」。28日朝、取材班が渦中の塩川市長を直撃した。

――パワハラ疑惑の件ですが、スタッフの前で「辞めろ」と叱責していたことは、事実ですか?
塩川市長:

その本人との仲でね、うんうん、ちょっとこれから私、検証してみます。

――否定はされない
塩川市長:

もちろん、それは、否定はしません。

――自治体のトップとして、そこで働く職員に対して、複数の人がいる前で「辞めろ」と叱責したことをどう受け止めていますか?パワハラという認識はありますか?
塩川市長:

いや…、そういう…、あのね、あの~、パワハラととられれば、パワハラでしょうけど…。

パワハラ疑惑について「否定はしない」と答えた市長だが…。

塩川市長:
相手がどう思うかが大事です。相手がパワハラだと思えば、私の接し方が悪かったから謝らないといけないし、相手が激励と思ってくれれば、別にパワハラではない。

――激励という認識を持っている?
塩川市長:

それは本人が感じることです!

――ほかの職員に対しても、関係性があれば「辞めろ」と言ってきたことはあるんですか?
塩川市長:

それが分からないんですよ、僕は。だからある特定の職員には、しょっちゅう会話してますから、それはもう、そんな厳しいことも…。

さらに今後について尋ねた。

塩川市長:
働きやすい職場にするのが私の念願ですから、それを進めていこうと思います。

「このままじゃ宮若市いかんな」

一方、実際に市長からパワハラを受けたという市の職員にも話を聞いた。

宮若市 課長級職員(50代):
私以外もかなりの職員が、そういう被害にあったと聞いているし、女性職員であれば、恐怖に感じていた部分もあるんじゃないか。「このままじゃ宮若市いかんな」と強く思うようになっていますし。辞職していただきたいと思っています。

11月27日付で、申し立てを受けた公平委員会は、申し立て内容がハラスメントとして認められれば、市長に対してハラスメント行為を停止し職場環境を改善するよう求めるとしている。

(テレビ西日本)

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