「なんしよっとか! お前!」。福岡・小郡市の71歳の男性市議による市職員へのパワハラともとられる言動が問題となっている。この問題を受け市議会では、男性市議の責任を問う問責決議案が提出された。
音声データに残された怒鳴り声…
テレビ西日本が入手した音声データで激しく怒鳴り声を上げているのは、福岡・小郡市の高木良郎市議(71)だ。
市職員:
導入可能調査は…

高木良郎市議:
(言葉を遮り)導入可能性調で2月に説明したんだろう、これで(「バン!」と机をたたく音)説明したっちゃないとか! 出してからものを言え! 出してから!

高木市議は、かつて副市長を務めたこともある人物だ。

市議会によると高木市議は、2023年8月17日に小郡市役所内で約1時間にわたり、小郡市の職員に対し、何度も大きな声で怒鳴った上に資料を机にたたきつけるなど、パワハラととれる不適切な行為をしたという。
机をたたき…「謝罪しろ!お前!」
市職員に対するパワハラともとれる言動はほかにも記録されていた。

高木良郎市議:
お前〇×△!(机をたたく音)なんしよっとか! お前! 〇×△なんか! その言い方は! なんかってお前! いまの言い方はなんかって! 謝罪しろ! お前!
市職員:
すみませんでした
高木良郎市議:
なんか、いまの言い方は! 馬鹿にしとっとか!
市職員:
いやいや、違いますよ

高木良郎市議:
もうこっちは、一生懸命しとっとやろうもん! 違うとか! ちゃんと資料持ってきてから言え!
この問題を受けて9月22日、小郡市議会では高木市議に対し、市の職員へのパワハラともとれる不適切な言動があったとして、政治責任を問う問責決議を行い、賛成多数で可決された。

小郡市議:
高木良郎議員に対し、議員としての責務を再認識し、議員としての高い倫理観を持つとともに、猛省を強く求めるものであります
問責決議を行う提案がされた議会で高木良郎市議は、議場で謝罪した。
高木良郎市議:
そのことについては理由の如何にかかわらず、私が行った行為は問題であり、ご迷惑をおかけした本人、関係者に関しては、この場を借りて心から謝罪を申し上げたいと思います。申し訳ございませんでした
このあと、高木市議に対する問責決議は賛成多数で可決された。

可決後、小郡市の加地良光市長は、「私は首長ですから、そういう職員を守らなくてはいけない立場にはあります。そういう弱い立場になりがちな職員が、胸を張って市民のために仕事ができる環境をしっかりと作っていかなければいけないと思う」と発言した。
謝罪からの“パワハラ”否定 進退は…
議場では「申し訳ございませんでした」と謝罪し、反省した様子を見せた高木市議だったが、その後に行われた報道陣からの取材に対しては、自身の発言はパワハラにあたらないと主張した。

記者:
ハラスメントの自覚は?

高木良郎市議:
市長はハラスメントと言うが、議会の方でハラスメントのハの字もない。それを私が敢えてハラスメントというのは別次元だと思う

可決された問責決議には法的拘束力はなく、高木市議は、“辞職するつもりはない”としている。
(テレビ西日本)