11月24日の夜、鹿児島市の街中を複数台のパトカーが走った。郊外の閑静な住宅街で殺人事件が発生し、48歳の息子を殺害した疑いで、同居する70歳の父親が逮捕されたのだ。息子が経営するカレー店を手伝うこともあったという容疑者。この親子に、いったい何があったのか。

「包丁で息子を刺して殺した」

鹿児島テレビのカメラは事件発生直後の現場をとらえていた。

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閑静な住宅街にはパトカーや救急車、鑑識車両が駆けつけ騒然としていた。近隣住民は「救急車が出ていったのは見た。何なのかな、何があったのかな」と話していた。

警察によると、鹿児島市東坂元3丁目の住宅で、この家に住む会社経営・田井兆さん(48)が背中などを包丁で複数カ所刺され、死亡した。死因は出血性ショックだという。

兆さんを殺害した疑いで逮捕されたのは、同居する父親・田井幸秀容疑者(70)。「私が包丁で息子を刺して殺しました」と容疑を認めているということで、26日、鹿児島地検に身柄を送られた。

妻と兆さんの3人で暮らしていた田井容疑者。事件当時、妻は外出していて田井容疑者は酒を飲んでいたということだ。

「明るい人だった」数年で変化も…

兆さんが営む鹿児島市のカレー店を手伝うこともあったという田井容疑者。事件を知り、近所の人は「はぁ~。そんなことがあるんだ」「びっくり。この辺はいい人ばっかりだから」と驚きを隠せない。

田井容疑者と20年来の友人だったという男性は、田井容疑者の人柄について「元々気さくな人。友達が多く社交的で明るい人だった」と話す。この男性が容疑者と最後に会ったのは2年前。スーパーでばったり会って言葉を交わした。

友人は「『頑張っているか』『たまには遊びに来んね(来ないか)』といった会話をした」とした上で「家族とのトラブルなどは一切聞いたことはない。こんなことになるとは大変驚いている」と付け加えた。

一方で「用事があって家にいっても、椅子に寝てるというか、そんな感じ」「挨拶もすることもない人だった」と、ここ数年での変化を口にする住民もいた。

親子の間に何があったのか。警察は事件の動機などを調べている。

(鹿児島テレビ)

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