阪神タイガースとオリックス・バファローズの日本シリーズがいよいよ明日28日に開幕する。 阪神、オリックス両チームで活躍した超人・糸井嘉男さんをゲストに迎えて、日本シリーズのポイントを聞いた。

糸井嘉男さん「カギは“第1戦”」

59年ぶりの関西ダービーとなった日本シリーズで、関西の街は大いに盛り上がっている。

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糸井嘉男さん:
関西中が今「熱男!」になってますから。関西盛り上がってます。待ちに待った日本シリーズです。(私は)両球団携わったことがあるので、すごい気持ちで見ていますけれど、「どっちが勝つか」っていうのはあまり言いたくないですね。

糸井さんは「カギは“第1戦”」だと言う。

糸井嘉男さん:
やっぱり最大7試合の短期決戦になるので、やっぱり第1戦はすごい重要ですよね。第1戦とると有利になりますし、勢いにも乗りますから。

データを見ても、2000年から2021年まで第1戦を勝利したチームが日本一になる確率は約60パーセントとなっている。

Q.糸井さんは日本シリーズに2度出場されているが、1戦目は緊張しましたか?
糸井嘉男さん:

もうかなり緊張しましたよ。初めて日本シリーズ出たときなんか。やっぱり集大成の試合なんで、勝ちたいですし、その年の全てを出したい気持ちでした。日本シリーズが終わったら、バラ色のオフがあるんで、試合に全部出せますしね。(Q.クライマックスシリーズからちょっと間が空いたが心配はないか?)クライマックス見てる限り、全然大丈夫だと思います。いつも通りの試合ができています。(Q.前日は眠れるものですか)それはもう眠れます

Q.第1戦で結果が出ないと「ヤバイぞ」「波に乗っていけていない」とか思うものですか?
糸井嘉男さん:
それはあります。打者は早く1本ヒットがほしいです。短期決戦なので、乗り切れない選手は、乗り切れないまま終わってしまうことも、中にはいますので。

第1戦 村上・山本両先発に注目

注目の選手は、第1戦先発の村上頌樹投手と山本由伸投手だという。

糸井嘉男さん:
今年の両チームのピッチャーの大黒柱。この2人が明日激突します。成績もすごいです。

両投手の今シーズンの成績だが、村上投手 10勝6敗 防御率1.75。セ・リーグトップの防御率。山本投手は、16勝6敗 防御率1.21。3年連続の投手四冠(勝利数、防御率、勝率、奪三振)に輝いている。

2人とも「1試合に2点取られない」ということになる防御率だ。 ちなみに2023年6月の交流戦で、この2人の直接対決があった。その時、村上投手が8回2失点、山本投手は8回無失点。オリックスが勝利している。

Q.山本投手はWBCという大舞台でも大活躍していて、経験値で山本投手が有利なのかとも思われますが、いかがでしょうか?
糸井嘉男さん:

それは日本の絶対的エースですから、攻略するのは難しいですよ。でも村上投手、今年急成長した投手ですし、本当に点を取られないんで、いい試合になるんじゃないかと思います。(Q.データだけ見ると山本投手が上にも見えるがそんなものではないのか?)ではないですね。クライマックスで山本投手が5失点した試合もありました。人間なので、何が起こるか分かりません。ただこの成績を3年連続で出すのは考えにくいぐらいすごいですね。(Q.山本投手に対して阪神はどんな意識でいくのがいいのでしょうか?)これというのが、たぶん見つからないぐらいいい投手なんです。ただ山本投手を日本で見れるラストチャンスの試合になるかもしれなくて、タイガースがめった打ちする(意識を持って臨む)か。(Q.意外なことに山本投手は日本シリーズで勝利がないんですよね)でも勝ってはないけど、押さえてますよね。

糸井嘉男さん:
両チームピッチャーがいいので、投手戦になると思いますよ。村上投手は負けん気が強いので、同学年のピッチャー(山本投手)には負けたくないと思っています。交流戦見ましたけど、山本投手が圧倒的なピッチングをしていて、それを土台に攻略法をタイガースは今考えてると思います。 村上投手も打ち込まれて負けた試合ではないんですけど、もう負けられないと思っているでしょうな。

第1戦を勝つのはズバリ…

(明日28日の初戦、ズバリどちらが勝利するのか、糸井さんお答えください)
糸井嘉男さん:
どっちかでしょう。どっちっていう意味あります?

Q.糸井さんがバッターで出るとしたら、両投手をどう攻略しますか?
糸井嘉男さん:

山本投手は“外まっすぐ”。それを仕留める。ファールにしない。村上投手は、坂本誠志郎捕手のリードとかみ合って、インコースの使い方がうまいので、外の甘い球を狙います。

監督の采配が見もの 

両チームの戦い方だが、監督に注目すると、「静」の岡田監督、「動」の中嶋監督と言えるかと思う。 岡田監督は、どっしり構えて、スタメンを固定して、いつものスタメンで戦うスタイルだ。シーズン中も、クライマックスも普通の野球をするだけだと言っていた。 中嶋監督は、驚きの采配をする。スタメンはころころと変わり、100種類以上のパターンがあって、「ナカジマジック」とも呼ばれている。

糸井嘉男さん:
これが一番見ものです。お互い投手力が強いというのは似ているんですが、岡田監督は打順を固定し、中嶋監督は対戦成績や選手の調子などでいろんなパターンがある采配で、そこの対決もかなりの見ものです。

Q.糸井さんから見て岡田監督はどういう監督なのでしょうか?
糸井嘉男さん:

選手からすると、信用してずっと使ってもらえるので、責任感を感じますよね。

Q.中嶋監督は糸井さんが日本ハム時代にコーチを務めていて、親交があるのですね?
糸井嘉男さん:

かなりお茶目と言いますか、いじりがうまいです。(Q.バッターとしては打順を頻繁に変えられるのはどうなのか?)何番でもやるのが野球だと思います。どっしり固定してもらうのも好きですし。

Q.オリックスは3年連続で日本シリーズに出ていますが、“分がある”ものでしょうか?
糸井嘉男さん:

経験値はやはりオリックスがあります。ただ勢いの面では、タイガースは勢いに乗ると12球団ナンバーワンですので。やっぱクライマックスの戦いを見てると、タイガースも本当にどっしりしてましたから、これは本当にどっちか分からない。

Q.第何戦ぐらいまでいきそうでしょうか?
糸井嘉男さん:

やっぱり第7戦までいってほしい。4勝3敗で決まってほしい。実力が均衡しているので本当にそれぐらいなりそうですよ。球団の経費も移動距離、宿泊代もかからないんで、コスパがいいですし。

日本一はズバリ…

(日本一になるのは、阪神、オリックス、ズバリどっちですか?)
糸井嘉男さん:
いやこれはもうやっぱりどっちかです。明日から注目しましょう。

キーになる選手は「佐藤輝明選手、森友哉かな」

Q.両チームのキーになる人は?
糸井嘉男さん:

ピッチャーは先ほど言いましたが、野手ではタイガース佐藤輝明選手、オリック森友哉かなと思います。ホームランが打てる。短期決戦の一発はかなり勢いがつきますから、ホームランが左右しますね。

Q.打撃戦になるか?投手戦になるか?
糸井嘉男さん:

基本投手戦になると思います。両チーム投手がいいです。気掛かりなのはオリックスの杉本選手、紅林選手らの主軸のけがですね。

28日からの日本シリーズ、まずは初戦に注目だ。

(関西テレビ「newsランナー」 2023年10月27日放送)

関西テレビ
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