地元でしか知られていない“幻のりんご”をスイーツに加工。ブランドりんごの知名度をアップし、消費拡大をはかる試みが始まった。産地の広島県庄原市高野町とイベントを行うホテル、輸送手段のバス路線を持つJRが手を組んだ取り組みを取材した。
高速バスでりんごを運び、ホテルでスイーツに
西山穂乃加アナウンサー:
甘い香りが漂っています。高野りんごとナッツのタルトにアップルパイ
西山アナウンサー:
“幻のりんご”が華やかなスイーツに姿を変えています。地域を盛り上げるためにホテルが趣向を凝らした逸品です
ホテルグランヴィア広島を運営するJR西日本グループが力を入れる”エリアブランディング”の取り組み。
ここで紹介するのは、広島でも冬は一面銀世界になり、冷涼な気候で、”高品質な農産物が育つ場所”と言われる庄原市高野町の「高野りんご」が主役。
高野りんごは、まさに今、収穫の時期を迎えているが、産地直送、庭先販売にこだわり、市場にほとんど出回らないことから“幻のりんご”とも呼ばれている。
ただ、産地では後継者不足などの課題も抱え、ブランドを守るためにも地域の認知度向上が必要になっている。
10月中旬、JR広島駅に到着した高速バスが乗客とともに運んできたのは、その高野りんご。
ホテルグランヴィア広島料飲部 谷直美課長:
貨客混載で庄原のりんごを入れることができるというのが強み
ブランドの認知度を上げるために、ホテルが高野りんごをメインにした、スイーツビュッフェを企画した。
普段仕入れるりんごと比べて単価が高い「高野りんご」をJR西日本グループのバスで運ぶことでコストダウンして実現に至ったという。
ホテルにとってりんごに特化したスイーツビュッフェは初めて。
馴染みのある味だけにスイーツには工夫をこらす
りんごが家庭の味として親しまれているフルーツだからこその難しさがあったという。
ホテルグランヴィア広島・山下純司パティシエ担当シェフ:
よく親しまれている味なので、ちょっと他とは違うもの、プラスアルファの手間をかけたりした
山下シェフ:
アップルパイに関してはパイで包むのではなく、上にクランブルのクッキーをちりばめて焼き上げた。タルトとパイと掛け合わせたデザートとして仕上げた
西山アナウンサー:
あ!しっかりりんご入っていますね
西山アナウンサー:
美味しい!思ったよりりんごの香りがきますね。香りもすごいフレッシュな香りですし、りんごがおいしいです
アップルパイのほかにも5品が高野りんごを使って新たにつくられた。
西山アナウンサー:
すごくりんごがジューシーです。ふわふわのロールケーキとの相性もいいですね
西山アナウンサー:
こちらはタルトになっています。今度は甘いです
今回、りんごの生産者とホテルの橋渡し役となった「道の駅たかの」の担当者は…
道の駅たかの 岡村淳さん:
知っている方は知っている。知らない方は知らないという形が、今回初めて知っていただいて高野町にきていただける、興味を持っていただく機会をつくっていただけたのかなと思っている
このスイーツビュッフェは11月26日までの土日祝日限定で開催中。
(テレビ新広島)