日本の“もったいない”が世界へ。今、メイドインジャパンだけでなく「USED IN JAPAN」が海外で人気だという。2020年時点での市場規模は約2兆4,000億円と推計されるリユースビジネスを取材した。
リユース市場は推計約2兆4000億円
「金」の国内小売価格(税込み)が8月に1グラム1万円を突破し、最高値を更新。この機会にと家に眠る「金商品」を販売する人が続出した。

「金」以外にも、家に眠る「お宝」を販売しようという人が増えている。
広島の街の人:
昔好きだったアイドルのグッズを売ることが多い。捨てるより1円でもお金になった方がいいのかなと思って

広島の街の人:
あるグループのファーストアルバムの限定版、定価3,000円くらいのものが倍の値段で売れた

近年、買い取りサービスを利用する人が急増している。

環境省のデータでは2020年時点でのリユース市場の規模は約2兆4,000億円と推計されていて、その規模はさらに拡大を続けている。
3日しか弾いてないギターが3000円
今、リユースビジネスがアツい。そこで、全国に店舗展開する「エコリング」を訪れた。

一体、何をいくらで買い取ってもらえるのか。取材スタッフが家に眠る「お宝」を持ち寄った。

エコリング 観音店・中山伸二 店長:
まずギターから拝見します
中西敦子 アナウンサー:
3日しか弾いてないので割と状態がいいと思っていますが
エコリング 観音店・中山伸二 店長:
かなりきれいな状態です。これから早速調べていきます

メーカーや相場など細かい基準があり、査定はデータに基づいて行われる。そのため店舗の違いや査定する人によって、査定額にバラツキがないようになっている。

待つことわずか2~3分で査定完了。ギターとヘッドセットやアンプなど付属品も込みで買い取ってもらった。

エコリング 観音店・中山伸二 店長:
セットで買い取り価格が3,000円になります。状態の良さが一番の査定ポイントになったと思います
家紋付きの「喪服」は海外で人気
続いては「着物」。家紋が付いた喪服はどうだろう。他の人には使いづらいものだが…

エコリング 観音店・中山伸二 店長:
家紋が付いていても買い取らせてもらっています。着物などの商品は基本的に外国で販売するので、家紋が付いていても問題はないです

(Q:海外では家紋付きの方が反応がいい?)
エコリング 観音店・中山伸二 店長:
家紋などがあると日本にしかないものになるので、家紋がある方を好まれる外国人も多いです
多種多様なものを買い取ることができる理由は“海外の販路”にあった。
エコリング・加藤直樹 中国エリアマネージャー:
弊社の販路は国内だけでなく、海外にも貿易商材として輸出しているので買い取りが可能です

海外では「日本から来るもの」に人気があるんだそう。

エコリング・加藤直樹 中国エリアマネージャー:
「USED IN JAPAN」と言われていまして、日本人が使ったものに対して価値が高まっている感じです。日本人が使うものは丈夫だと思っている人が多いですし、日本人はきれいにものを使うので、日本から来るものは「丈夫できれい」ということで人気が高まっています
海外へ販路を広げるリユースビジネス
さて、家を探すと必ずと言っていいほど出てくる使わない食器やグラス。箱に入った状態で査定をお願いした。

エコリング 観音店・中山伸二 店長:
箱に入っている食器類も海外向けの品物になるので、数量で計算して一式500円で買い取ります

陶器のタンブラーなど国内では需要の少ない商品でも、海外に行けば人気の和食器。
エコリング 観音店・中山伸二 店長:
逆に、海外では欲しいという人が大多数なので、箱単位で売れたりkg単位で売る販売方法があります。その販売方法を踏まえて金額を決めています

「USED IN JAPAN」は海外でどのように販売されるのか。
エコリング・加藤直樹 中国エリアマネージャー:
例えば、バッグだけが入っている段ボール箱、靴だけ入っている段ボール箱、小物雑貨や箱入りの食器だけというように、ジャンルごとで販売しています

捨てるのではなく、誰かに使ってもらえる。そのうえ「日本人が使ったものに価値がある」とはうれしい話だ。
TSSコメンテーター・広島大学大学院・匹田篤准教授:
次に使ってくれる人がいるから私たちも丁寧に使う。次に使う人をフリマアプリなどを活用して個人で探すことには限界があると感じます。新たな販路を国内だけでなく海外にも広げて見つけていく取り組みは、個人ではなかなかできない。こういう取り組みによって、リユース・リサイクルがさらに促進すると期待していいと思います

海外とのつながりによって、リユースビジネスは今後もさらに拡大すると見込まれる。
(テレビ新広島)