千葉・市川市を流れる真間川の河川敷に広がる、異様な光景。
横倒しになった車やバラバラになった船などが放置されたままになっていた。

近隣住民「当たり前の光景に…」

河川敷に放置されていたのは、20台以上の車。

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底があらわになった車にはフロントガラスがなく、タイヤがパンクした軽トラックはナンバーが外されている。

ほかにも、大きく破損し、今にも崩れそうなほど傾いた船までもが放置されている。
周りには船体の破片が散乱し、かたわらには自転車も捨てられていた。

船体が破損した放置船
船体が破損した放置船

近くの住民は不安をのぞかせている。


近隣住民A:
10年近くここを通ったりしているんですけど、もっと前からありますね。景観を損ねている。

Googleマップでさかのぼってみると、少なくとも2017年には船が放置されていることが確認できた。


近隣住民B:
汚いより、きれいな方がいいけど、当たり前になっちゃったよね。

驚きの光景は川にも広がっていた。
約500mに係留された50隻以上の船、実はすべてが“不法係留”の船なのだという。

川には沈没した船のほか、所有者が放置したとみられる船がいたるところに確認できた。

現場では、“係留は違法”と呼びかけているが、不法係留が横行する背景について、船の処理業者はこう語っている。


株式会社信太商店・信太裕介さん:
公共のマリーナとかあるんですけども、係留代は安くても月額3万円とか4万円ぐらいかかりますので。不法係留であればタダなので、お金かかりませんので。

また、処分費用を払えず、放置するケースもあるという。


株式会社信太商店・信太商店・信太裕介さん:
一般的なプレジャーボートでだいたい8人乗りぐらいのもので、係留してある状態から処分しようとすると、だいたい35万から50万ぐらいかかると思いますね。
船の所有者がかなり高齢化してますので、維持できないので不法に係留してしまうという方は増えていると思いますね。

放置された車や船は、行政が撤去できないのだろうか。

真間川を管理する千葉・葛南土木事務所に聞くと、「現場はある程度は把握している」としたうえで、「放置車両・不法係留船については、撤去・指導を進めていきたい」と回答。

また船の不法係留については、「船の所有者に適正な船の管理をお願いしたい」述べるにとどめた。
(「イット!」10月20日放送分より)