プロ野球ドラフト会議が10月26日都内で行われる。夏の甲子園で準優勝、10月に鹿児島で行われた国体では優勝を果たした宮城・仙台育英からは、U18W杯でも活躍を見せたキャプテン・山田脩也内野手と、151キロ左腕・仁田陽翔投手の2人がプロ志望届を提出。指名を待つことになった。山田・仁田両選手の強みは何なのか。2人を一番知るであろう、仙台育英・須江航監督に話を聞いた。

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―プロ志望届を提出した2人について
「2人とも秀でるものがあり、総合力もある選手だと思います。そのうえで、「これだけはプロで通用する」という一芸を持ってる選手なので、指名してもらえれば大変厳しい世界にではありますが、そこで花が開ける可能性をちゃんと持っていると言える選手なので、プロ志望届出すにふさわしい選手だなと思いましたね」

山田はフットワークNO.1

―山田選手の“一芸”は?
「山田は言うまでもなく守備で、その中でも、一番は足運び(フットワーク)。足をボールに対して運んでいって適切な捕球点でボールを捕れる選手というのは、なかなかいない。彼よりスピードがあったり、彼より肩が強かったりする選手は、高校生でも大学生でも社会人でもいるが、足を運ぶということに関してはナンバーワンじゃないかなってひいき目なしに思います。」

「そして、その守備力の高さ。本当の意味でどこのポジションでも守れる選手だと思うんですよね。セカンドなんて、もしかしたら適性がよりあるかもしれないですし、外野もできるんじゃないかなと思っています」 

「もう1つ付け加えるのであれば、試合の中でのスピード感。走塁や盗塁もそうですし、野球の距離感の中での速さというのは秀逸。50メートル走とか100メートル走であれば、もっと速い高校球児はたくさんいると思いますが、塁間の速さとか2塁からホームに帰ってくる速さなど、「野球で欲しいスピード感」を持ってる選手なので、そういう部分で重宝される」

「チームの大スターになれるかは分からないです。例えば1番、3番、4番、5番などの打順で打てるような、不動のレギュラーみたいになれるかは分からないですが、「チームにこんな選手いてくれたら…」という選手になれる素質は十分にある。プロの世界で勝負したいと本人が思えば、プロ志望届を出すべきかなと思っていました」 

「4年後には160キロの可能性」

―仁田選手の“一芸”は?
「夏は登板機会が多くなかったので、アピールする場面が限られてしまいましたが、仙台育英野球部の関係者であれば、仁田が持ってるポテンシャル、そして状態がいい時に投げている球の質というのは、高橋煌稀や湯田統真、田中優飛を上回る日も多々あることを誰でも知っています」

「150キロ投げる高校生がそもそもそんなにいないですし、彼の身体能力というのは数字が証明していて、現段階でも身体能力はプロのトッププレイヤーにほぼ近いものがある。一方で、筋力や筋肉量といった部分で伸びしろはまだまだ残されてるので、4年後に160キロくらいの球を投げてプロで登板してる可能性は十分にありますね」

「大学進学と非常に悩んだようですが、野球に集中してできる環境に飛び込めば、大成する可能性は十分あると思っているので…。全国的に見ても「こんな高校生はいない」と言われる1人。十分その魅力をご理解いただける可能性はあると思います」

時折、我が子を思うかのように笑顔を見せながら、教え子について語ってくれた須江監督。

2年連続で日本の夏を盛り上げた2人が、プロの世界で再び球場を沸かす日は来るのか。運命のドラフトは26日に迫っている。

▽山田脩也(やまだ・しゅうや)内野手
・2005年8月20日生まれ
・177センチ71キロ 右投げ右打ち 
・仙台広瀬リトルリーグで野球を始め、U-12W杯日本代表を経験。高校入学後は1年春からショートのレギュラーとして活躍し、2022年夏の甲子園で東北勢初の全国制覇に貢献。
2023年夏は主将として甲子園準優勝に導いた。U-18W杯日本代表にも選出され、韓国戦では
高校通算18本目の本塁打を放つ。50m走6.1秒、遠投105m。

▽仁田陽翔(にた・はると)投手
・2005年6月10日生まれ
・174センチ72キロ 左投げ左打ち
・岩手県大船渡市猪川野球クラブで野球を始め、佐々木朗希(ロッテ)と同じ大船渡一中を経て、仙台育英に入学。最速151キロの直球を武器に、2022年夏の甲子園で全国制覇を経験。
2023年夏の甲子園準優勝。50m走6.1秒、遠投90m

(仙台放送)

仙台放送
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