心に抱えたモヤモヤが大きくなり、誰かに相談したくでもできない。

そんな“心の不調”を感じたとき、精神科への受診を考える人もいるだろう。しかし、どんな診察をされるのか、など病院へ行く前に不安もある。

登録者数45万人を超えるYouTubeチャンネル「精神科医がこころの病気を解説するCh」を運営する、精神科医の益田裕介さんが、コロナ以降増えているという心の病について解説する。

『まんがルポ 精神科に行ってみた!【心の病】はこうして治る』(扶桑社)より、一部抜粋・再編集して紹介していく。

初診は30分ほど

クリニックで最初に受ける診察を「初診」といい、2回目以降は「再診」といいます。

初診は30分ほどです。

精神科は「やさしく寄り添って長時間話を聞いてくれる」そんなイメージを持っているかもしれませんが、実際は初診の場合30分ほどなのです。

「悩んでいることがたくさんあるのになぜ?」「全然相談に乗ってくれない」と思うかもしれませんが、その理由は圧倒的な精神科医の不足があります。

診察はポイントを押さえて患者の話を聞いていく(画像:イメージ)
診察はポイントを押さえて患者の話を聞いていく(画像:イメージ)
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今の日本では精神科の患者は400万人を超えており、それに対して精神科医の数は約1万5000人ほどです。

全てのことを聞く時間は当然なく、医師はポイントを押さえて聞いていきます。

例えば、以下のようなことです。

(1)今の困りごと
(2)生活歴(自分史)や現在の病気、持病
(3)家族について
(4)仕事のこと、休職を含めた相談

このようなことを聞いて、聞き足りないことは2回目以降に聞くとして、急いで治療方針を決めようとしているイメージです。

僕のクリニックも含め、多くの精神科医のホームページには「初診の問診票」を載せているので、チェックしてみてください。

そうすると効率よく診察の時間を使えるため、医師側も大変助かります。