地区予選を勝ち抜き、4年ぶりに「春高バレー県代表決定戦」に出場する山形県の米沢商業女子バレーボール部。創部は1950年代と伝統があり“女王”として君臨していた時期もある。学校の歴史を背負って戦う、チームの意気込みに迫った。

自分たちも結果を…県大会を制した過去

米沢商業女子バレーボール部の歴史を振り返ると、1970年、3月に全国大会が行われていた以前の「春高」の第1回大会に、米沢商業は西奥羽代表として出場。

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また、1970年・1971年には県大会を制し、インターハイに連続出場していたことが学校の100年史に書かれている。

米沢商業のOBで女子バレー部就任10年目の井上和広監督も「高校に入る際にそういう強い時代があったと。高校時代、女子バレーは強い・厳しい練習だと聞いていた」と話す。

選手たちも米沢商業女子が強かった時代を聞いたことがあるようで、奮起して意気込みを語る。

アウトサイドヒッター2年・大塚舞倖選手:
自分たちも結果を残したい

アウトサイドヒッター2年・坂野雅姫選手:
強かった時代はすごいなと純粋に思った。その歴史に恥じないように、自分たちも頑張らないと…と思った

「一人一人が役割を果たせるように」

選手は8人。1・2年生だけのチームをまとめるのは、キャプテンでセッター・2年生の鈴木唯七選手。丁寧なトスが持ち味だ。

セッター2年・鈴木唯七選手:
一人一人が自分がすることをしっかり役割を果たせるように、目標を持って頑張っている

チーム不動のエースはアウトサイドヒッター・2年生の坂野雅姫選手。

坂野選手がフェイントを含め多彩な攻撃でチームを引っ張ると、2年生のミドルブロッカー・島貫玲衣菜選手も鋭いスパイクと威力のあるサーブでポイントを重ねる。

坂野選手は「相手のコートを見ながら、自分がどう体を動かせば点数が取れるか、考えながらつなぎあっている」と話す。

一方の島貫選手は「エースが決められなかったときに最後に決めるのが仕事」だといい、「最後の一点を自分が決められるように頑張っている」とまい進する。

「米沢商業」の名前で戦う最後のチーム

選手たちには、2023年「絶対に勝ちたい」理由がある。

県立高校の再編で米沢商業は米沢工業と統合し、2025年に新たに「米沢鶴城高校」となる。今の2年生までが「米沢商業」の名前で戦える最後のチームになる。

井上和広監督:
この学校の有終の美を、この子たちの中でそう思えるような最後を、締めくくりを作らせてあげたい

アウトサイドヒッター2年・坂野雅姫選手:
8人で大変なことも多いが、自分たちが今できることや自分たちがバレーボールを純粋に楽しむ気持ちを忘れずに、全員が自信を持って楽しくプレーできるように一生懸命がんばりたい

米沢商業の歴史に、再び女子バレー部の活躍を。
初戦の相手はシード校の惺山(せいざん)。多くのOGや学校関係者が活躍を期待している。

(さくらんぼテレビ)

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