札幌市ススキノにあるホテルで、62歳の男性が殺害され頭部が切断された状態で見つかった事件から間もなく2カ月。Mr.サンデーが入手した新たな映像には、ダンスクラブで出会ったという被害者と容疑者親子の姿が捉えられていた。映像を番組で検証したところ、見えてきたのは、容疑者親子の異様な関係性だった。
密着する瑠奈容疑者と被害者…新映像を独自証言を交え検証
5月28日、ススキノのダンスクラブで撮影された映像。ステージ前、最前列にいるのが、殺人などの疑いで逮捕・送検された田村瑠奈(るな)容疑者(29)だ。
この記事の画像(16枚)そしてその隣が、62歳の被害男性だが、2人の様子をよく見ると、年の差33歳の2人が、まるでカップルのように、顔を重ね合わせているように見える。
クラブで2人を目撃した知人は、「初めて会ったようには自分は感じないくらい。本当に親密というか、すごく盛り上がっていた」と2人の様子を話す。
そして、そんな瑠奈容疑者のすぐ後方で、2人の様子をじっと伺っていたのは、父親の修(おさむ)容疑者(59)だった。
実はこの新たな映像は、これまで報じられてきた、瑠奈容疑者と被害男性が出会ったとされるダンスクラブでの映像の“続き”を捉えたもの。
「やっぱり人間って、そもそも“人の間”って書くように、一人じゃ生きていけないし…」Youtubeでそう語っていた精神科医の父・修容疑者は、7月1日の事件当日、瑠奈容疑者と共に、自宅近くの店でノコギリなどの刃物やスーツケースを購入。さらに瑠奈容疑者を、ススキノのホテルまで送り迎えしていたとみられている。
入念な計画の上、娘と両親は共謀して62歳の男性を殺害し、頭部を持ち去るなどした疑いがもたれているが、両親の弁護人は8月、「修氏及び浩子氏は、瑠奈氏が事件を起こすなどとは全く想像しておらず、一切共謀しておりません」とコメントを発表。
事件の真相は、どこにあるのか。Mr.サンデーは、独自の証言と共に、入手した新映像を含む合計4分34秒の映像をつぶさに検証した。
被害男性と瑠奈容疑者を知る人:
「テキーラサービスですよみたいな時に、(瑠奈容疑者は)もらってすごく飲んでて。
見えてきたのは、奔放な瑠奈容疑者と父親のあまりに異様な関係。
さらに…
被害男性と瑠奈容疑者を知る人:
数日後に「やっちゃった」「やらかしてしまった」っていうのを、友達にLINEで連絡をしたと。
事件後、瑠奈容疑者が知人に送っていたというLINEメッセージ。その真意とは。
まるで恋人…瑠奈容疑者と33歳差被害者の大胆行動 その時父・修容疑者は
5月28日午前6時50分。
時刻は朝7時になるころだが、ダンスクラブの熱狂は続く。
画面手前でステージを見ている白い服の人物が、被害男性だ。そして画面奥、最前列でバルーンを振り、盛り上がっているのが瑠奈容疑者。瑠奈容疑者の数メートル背後に、父親の修容疑者とみられる人影があった。
後の調べで、修容疑者が瑠奈容疑者を車で送ってきたことが分かっている。
やや距離をとり、じっと佇む修容疑者。娘の様子を見守っていたのだろうか。この時、瑠奈容疑者と被害男性の距離はまだ遠いが、フロアに変化が起き始める。
午前6時52分。
瑠奈容疑者は髪を束ねると、両腕を振り上げ激しくダンス。激しさのあまり、周囲から人が離れていく。
当時、同じフロアにいて、瑠奈容疑者に声をかけられたという人物に話を聞いた。
当時クラブにいた、被害男性と瑠奈容疑者を知る人:
容疑者の方、かなり酔っぱらっていらして、悪い意味でも目立っていた存在でしたけど。ワーって、たくさん飲んで、たくさん騒いで、たくさん飲んで、たくさん騒いでっていう感じでしたね。
周りを遠ざけるほど酒に酔い、騒いでいたという瑠奈容疑者。
そして、人が少なくなったその時だった。被害男性が瑠奈容疑者の方を向いた。その存在に気付いたのだろうか。
午前6時56分。
瑠奈容疑者が周囲に構わず踊り続ける中、被害男性との間から人が消えた。
そして午前6時59分。
2人が接触した。よく見ると、被害男性から近づき、腕を広げる仕草。そこに瑠奈容疑者が飛び込んだように見える。
午前7時4分。
接触した2人は見つめ合って、言葉を交わす様子も…。
こうした姿に、当時フロアにいた2人を知る人は「抱きついたりとかっていう光景。知り合いなのかなって自分は思ってました。2人がすごく仲よさそうだったので」と話す。
午前7時6分。
Mr.サンデーが独自入手したその直後を捉えた映像には、さらにエスカレートした光景が…。体を密着させ、顔を寄せ合う2人。まるで恋人同士のような姿が映っていた。
そんな娘の大胆な行動に、父親の修容疑者はどうしていたのだろうか。
その時の修容疑者を見ると、フロアの後方から、顔は娘の方を向いているように見えるが、微動だにしない。
高齢男性と抱き合う29歳の娘を、どのような思いで見つめていたのか。
瑠奈容疑者の同級生や祖父が語る父娘 「過保護」な家庭環境か
異様にも思える父と娘の関係。瑠奈容疑者の小学校時代の同級生は、当時感じた親子関係をこう語る。
瑠奈容疑者の小学校の同級生:
過保護って言えばいいですかね。わがまま言っても許されるような家庭環境っていうか。
欲しいものを欲しいって言ったらあたる(もらう)し。「うちの親父医者だから」みたいな感じで、ドレス着てたのもそうですし、送り迎えとか、お嬢みたいな。大事にされてんな親父に、みたいな。
親子の現在を知る、瑠奈容疑者の祖父も…
ーー(修容疑者は)瑠奈容疑者のことを溺愛していた?
祖父:
そうなんだよ。俺が「過保護じゃないか」って言うと怒られるんだ。「おやじは古くせえからすぐ過保護」って。普通に行けば大切に育てたらそうならんけど。
父親が娘の行動に、一切口を出せないほどの、歪な関係だったのか。
出会ってから1カ月ほどで、瑠奈容疑者は被害男性と何らかのトラブルに発展。修容疑者は刃物を購入するなど共謀したとされ、そして7月1日から2日未明にかけ、頭部切断事件発生が発生。映像が撮影された日から、わずか35日後のことだった。
事件後に「やらかしちゃった笑笑笑」
事件後、3週間あまり逮捕に至らず、犯行は、周到に計画されたともみられていたが、Mr.サンデーが瑠奈容疑者の周辺を取材すると、事件後、知人に驚きのLINEメッセージを送っていたことが明らかになった。
被害男性と瑠奈容疑者を知る人:
数日後に「やっちゃった やらかしてしまった」っていうのを、友達にLINEで連絡をしたと。「やらかしちゃった笑笑笑」という。
ーーその時は、そのお友達は特に何も?なんだろうと思ったということですか?
そうですね。具体的に今回の事件に対してのことが、というわけではなくて。
猟奇的事件の後に送られた、そのメッセージの真意とは何だったのか。
札幌地検は瑠奈容疑者と両親について、刑事責任能力を調べるため、半年間の鑑定留置を行うとしている。
(「Mr.サンデー」8月27日放送より)