自身の誕生日に双子の娘が誕生した福岡ソフトバンクホークスの近藤健介選手。8月初めからは4番に座り、抜群の“選球眼”で大活躍している。

イメージしていたことが形になっている

8月9日、30歳の誕生日に双子が誕生した近藤健介選手。翌日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦では双子の誕生を祝う17号ホームランを放つなど、4打数3安打2打点の活躍を見せた。
そして試合後には、この日6勝目を挙げた和田毅投手からウイニングボールを手渡された。

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近藤健介選手:
(和田投手からウイニングボールを)いただきました

近藤選手は、8月2日からホークス移籍後初の「4番」に座ると、8月だけでホームラン4本、月間打率は3割9分6厘の大活躍を見せている(8月19日現在)。

ーー今の打撃の状態を自分ではどう受け止めていますか?

近藤健介選手:
2、3年前からイメージしていたことが、ようやく形になっているかなっていう感じはあります

現在のパ・リーグで3割を超えているのは、オリックス・バファローズの頓宮裕真選手とホークスの柳田悠岐選手、近藤選手の3人だ。8月初めから4番に座る近藤選手の打撃成績を見ると、打率3割6厘でリーグ3位、ホームランも柳田選手を上回る18本でリーグ3位。打点67はリーグトップだ(8月19日現在)。

ーーホームラン争いで上位にいるというのは、これまではなかったのかなと

近藤健介選手:
今でも信じられないというか、何か不思議な感覚ではいます

ーーメディアの勝手な見方ですけど、「三冠王」も狙えるんじゃないかと

近藤健介選手:
いえいえ、恐れ多過ぎて。4番で最近は出してもらっているので、打点というのは意識している。やはり試合を決める1打というのは意識しています

ホームランは、これまでのシーズン自己記録11本を7月初めに更新している。

全方向に放つホームラン

北海道日本ハムファイターズからの移籍直後の2023年1月の自主トレで近藤選手は、「『少し長打を増やしたい』という思い。東京オリンピックに出て、自分のレベルが目指しているレベルが『低いな』と。長打も打てて小技もできる(ように)」と語っていた。

長打を増やすことを意識して臨んだ今シーズンでは、その言葉通り、長打率は5割3分1厘。得点圏打率、出塁率とともにリーグトップの数字を残している(8月19日現在)。

近藤健介選手:
長打という意味ではやはり、2塁打以上のイメージは持っているので。ホームランになってくれているのはいいのかなと思います。でもまあ、ただ単純にゴロを打たないように意識しているだけなんで、ホームランは狙っていないです。ゴロ打ったらゲッツー(併殺打)になってしまいますし、そこは気をつけて打席には立っています

「ゴロを打たないように」という意識が長打量産につながっている。近藤選手の今シーズンの内野安打はわずか1本。さらにアウトコースのボールを逆方向のレフトスタンドへ運ぶホームランも増え、全方向均等にホームランを放っている。

近藤健介選手:
ホームランテラス“さまさま”って感じですけれど。逆方向も持ち味だと思っていますし、やっぱり内角、外角関係なく強い打球を打てるようにしたいなと思って練習しているので。外だけ投げていれば楽だとも思われたくないですし、結局インコース、身体に近い方がホームランになる確率も上がると思うので、やっぱり外の球をしっかりきっちり強い打球を打てれば、やっぱ内に来る回数も増えてくると思うので、そこは意識しているところはあります

アウトコースのボールも長打にできれば、得意のインコースのボールも増えてくる。もはやストライクゾーンはどこでも打ってしまう無双状態なのだ。

「全試合出場でチームに貢献する」

そして個人の目標としてもうひとつ掲げているのが…。

近藤健介選手:
1年間グラウンドに立ち続けたことがないですし、143試合、全部出てチームに貢献するっていうのが大事

ーー心配なのはケガだけですが。右膝ですよね。守備中でしたけれど、元々不安が?

近藤健介選手:
いやいや、あのとき“一発”って感じですかね。痛かったですね

7月30日、近藤選手はセンターの守備で打球を処理した際に右膝を負傷した。指名打者での出場が続いていたが、8月中旬から守備にも復帰し、ファインプレーも見せた。

近藤健介選手:
試合にずっと出て成績を残すというのが、今になってどれだけすごいのかなというのが分かるようになってきたんで…

ーーホークスに入ってきて、その辺の難しさっていうのは自分で今、感じるところありますか?

近藤健介選手:
やっぱりこう、結果を一番見られるところではあるので、その自分の中で結果が出ないと代えられるというプレッシャーは常に持っています。やっぱり調子の悪い人を待って調子を上げるっていうよりは、今、調子がいい人を使うという、そんな感覚があるので、そこは本当に隙を見せないようにというのを思っています

いよいよ佳境を迎えるプロ野球ペナントレース。近藤健介から目が離せない。

(テレビ西日本)

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