8月11日夜。楽しいはずの夏祭りの会場は凶行の現場と化した。歩行者天国に車で突っ込み、殺人未遂の疑いで逮捕・送検された男は、その後の調べに対して「交際関係をめぐり悩みがあった」と話していることがわかった。
夏祭りの会場が凶行の現場に
8月11日午後6時頃。静岡市葵区の中心街では恒例の「静岡夏まつり夜店市」が開かれていた。静岡駅前の3つの商店街が“歩行者天国”となり、オープンカフェやワゴンセール、屋台などが並ぶ毎年人気のイベントだ。
子供から大人まで大勢の人でにぎわっていたこの“歩行者天国”に、男は突如として車で進入した。

そして2歳の男児を含む3人をはねると共に机やイスをなぎ倒しながら車を前進させる。しかし男に慌てた様子はない。さらに車を止めると、何事もなかったかのように現場を立ち去ろうとしたため、近くにいた人たちが男を取り押さえた。幸いにして3人はいずれも命に別条はなかったが、男は駆けつけた警察官に殺人未遂の現行犯で逮捕された。

事件を目撃した人は「ゆっくり進んでいたので止まるかと思ったが減速する様子がなく直進していった」「間違えて進入しバックするかと思ったら、急に加速音がして車が走って行った」と証言する。
男は「交際関係の悩みがあった」と供述
逮捕されたのは市内に住む会社員の男(26)だ。

翌12日。取材に応じた男の父親は「トラブルなどに巻き込まれているということはないと思う」とした上で「本当に明るく、人に対して優しい人間だったので、なぜ事件を起こしてしまったのか」とうなだれると共に「被害に遭われた方にどう謝罪すればいいかわからないが謝るしかない」と頭を下げた。

男は当初から容疑を認め「個人的な悩みがあった」と話していたが、捜査関係者によると「交際関係の悩み」を抱えていたという。
また男が現場を下調べした形跡はなく、警察は衝動的な犯行と見て調べを進めている。
何が男を凶行に駆り立てたのか?解明が待たれる。
(テレビ静岡)