落合健悟 記者:
盗難の被害が相次いでいるのがこちらの筒先なんですが、消火活動には欠かせない部品で関係者は頭を悩ませています

7月、静岡県湖西市の消防団が消火栓ホースの格納庫を点検したところ3カ所で「筒先」がなくなっており、市内全域で確認したところ計27カ所での紛失がわかりました。

格納庫にはカギをかけられない事情があります。

湖西市消防本部消防総務課・小幡俊治 課長代理:
付近の住民の方や自主防災会が初期消火で使う目的もあり、ここを施錠をするのはなかなか難しいのかな

8月25日は筒先の重要性を知ってもらうため、実演が行われました。

取り付けているときは水が遠くまで飛びますが、取り付けていないと飛距離は出ず、2人でホースを持たないと安定しません。

筒先は何者かに盗まれた疑いがあり、警察に被害届を出しています。

湖西市消防本部消防総務課・小幡俊治 課長代理:
災害対応能力が下がることにもつながる。不審な人を見たら警察署に通報してもらうか、格納庫の中の物がなくなっていることを確認したら消防本部に連絡をしてほしい

金属の盗難は全国で相次いでいて、規制強化や指導も進められています。

25日は警察の担当者が静岡市にある金属を扱う業者を訪れて条例改正について説明し、盗品の持ち込みに注意を促しました。

「県金属くず営業条例」は9月、一部改正されて行政の権限が強化され、事件抑止になることが期待されています。

県警生活保安課・山内兼光 監理官:
盗まれた金属製品はその後、金属くずを取り扱う会社に販売して現金に換金しているという現状があるので、少しでもそういった流通を防止したいと考えています

山根商店・漆畑耕栄 代表:
身元をしっかり確認するということ。怪しいのであれば警察の方に相談する

県内で金属が盗まれる事件は2024年、474件発生し、被害額は6億円以上と前の年を大きく上回っていて、捜査と規制強化、両面での対策が急務となっています。

テレビ静岡
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