浜松市中区にある冷凍肉製品などを扱う無人販売所で3日連続して商品が盗まれる窃盗事件が起きた。いずれも同じ男による犯行とみられ、 店内の防犯カメラが悪質な行為の瞬間を捉えていた。
未明に繰り返された卑劣な犯行

8月3日午前2時過ぎ。浜松市中区にある肉の無人販売所に一人の男がやってきた。
男はショーケースの中から商品を手に取ると、持参したカバンの中へと詰め込んだ。言わずもがな会計は済んでいない。

続いて男は白いトートバッグを取り出すと、またしてもショーケースから複数の商品を持ち出し、バッグにしまい込んだ。

ここまでだけでも十分に悪質な行為だが、男の犯行はエスカレートする。別のショーケースへと移動すると、店に置かれたレジ袋に次々と商品を入れ、最後まで金を支払うことなく店を後にした。

実は“同じ男”によるものとみられる犯行はこれだけではない。
8月1日午前1時過ぎ。店に入ってきた男は商品をカバンの中にしまうと、“見覚えのある”白いトートバッグにも商品を詰め込んで、そのまま立ち去った。

さらに8月2日未明にも男が二度にわたって店を訪れ、商品を持ち去る様子が記録されていた。
映像や写真で警告するも…

3日連続で計4回繰り返された窃盗。オーナーによると、盗まれた商品は肉やアイス、馬刺しなど計100点以上で、被害総額は9万円弱に上る。店では対策として2日から犯行の様子を映した映像を店内のモニターで流すとともに、犯人への“警告”として張り紙も多数掲示していたが、その中での犯行だった。
オーナーは「金額がかなり大きかったので、店の経営的にもかなり厳しい」と憤る。
この店では以前にも商品を盗まれる被害が2件起きている。

オーナーは「コンビニにはない少し高価格帯の商品やおいしい商品を置き、こうしたものを他の店が営業していない深夜や朝など、いつでも自由に買ってもらえるよう24時間営業している」としたうえで「利用客の協力で経営が成り立っているのに…」と嘆き、利用客も「せっかく24時間営業してくれて時間を気にせず買い物ができるのに、そこをついて悪い事をする人がいるのは悲しいし、こういう店が困って減ってしまうのは嫌」と、無人販売の形態を採る業界全体への影響を懸念した。
店側はすでに警察に被害届を提出していて捜査も始まっているが、8月9日時点で犯人は捕まっていない。
(テレビ静岡)