仲間と共に、駄菓子屋であり、子ども食堂でもある「チロル堂」を開いた吉田田タカシさん。
「困っている人たちだけが集まる場所になると、そこに偏見が生まれてしまいます。
子ども食堂を作って、子どもたちがやってきてご飯を食べる時に、施しを受けたような気持ちになってほしくないんです。
困っている人も困っていない人もみんな同じように集まれる場所にしたいと思っています」
昼は子ども食堂、夜は居酒屋
長年アートスクールを営み、多くの子どもたちと接してきた吉田田さん。
2年前、仲間と共に奈良県生駒市に、駄菓子屋兼子ども食堂「まほうのだがしやチロル堂」を開いた。
子どもたちは100円でカプセル自販機を回し、「チロル」と呼ばれる札を買う。
この札で駄菓子を買ったり、通常は300円のポテトや500円のカレーなどが1チロルで食べられるのだ。
昼間の店内は、勉強したり、遊んだり、子どもたちが自由に過ごせる居場所だが、夜は居酒屋「チロる酒場」に早変わりする。
大人たちの飲食代の一部は子ども食堂を支える資金となり、札の枚数で自分が寄付した額がわかる仕組み。
「こっちもうれしくて、もうちょっと飲もうかなという気持ちになります」と寄付した男性客は笑顔で話す。
集まった子どもも、「ご飯も出るし、何でもあるから家みたいな感じ」と居心地の良さを口にする。
吉田田さんは、「貧困や寂しさが理由で、子どもたちが生きていることが辛くなってはならないと思います。
チロル堂があることで、いつの間にか安心できる場所になれたらいいなと思ってやっています」と話す。
「フューチャーランナーズ～17の未来～」
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