夏の甲子園をかけた高校野球千葉県大会5回戦。柔道の“ヤワラちゃん”こと谷亮子さんと元プロ野球選手、佳知さんの長男、谷佳亮(たに・よしあき)選手が、準々決勝をかけた一戦に臨んだ。
試合の舞台はプロ野球・千葉ロッテマリーンズの本拠地、ZOZOマリンスタジアム。プロも躍動する球場でプレーできる喜びを本人以上に母・亮子さんも感じていた。
「主人も(現役時代に)何度もこちらに来てますので、いろんなグラウンドの状況とか、パパはわかってるでしょうけども。ここで試合することはなかなかないので、本当に楽しみにしてました」
息子の活躍を陰で支えてきた母。ベスト8進出をかけた大事な一戦を前に振る舞った勝負飯は?
「昨日の晩ご飯?昨日はすき焼きを食べました!おいしくお肉もお野菜も食べれるので、そのへんはちょうどいいかなというのと、あとご飯もいっぱい食べてくれるので」
母の勝負飯でパワーを注入された谷佳亮(たに・よしあき)選手だったが、3回の守備でまさかの事態が起きてしまう。
2アウトランナー1・2塁の場面、フライを追う谷選手が足を滑らせてしまい、打球はライト線にポトリ。このプレーでランナー2人が返り、シード校の木更津総合に先制点を許してしまう。
ならばバットで挽回、と意気込む谷選手は第3打席。ここまで2試合連続でホームランを放っている打撃に期待がかかる。ここで谷選手の父親譲りのうまいバットコントロールが光った。3試合連続ホームランとはならなかったが、華麗にセンター前ヒットを放った。
しかし、強豪・木更津総合に7回までに7点を奪われた東京学館浦安。結果は悔しいコールド負け。谷選手の熱く燃えた夏は準々決勝を前に終わりを告げた。
試合後、共に戦ったチームメートを思い、悔し涙を流した佳亮選手。
この記事の画像(7枚)「高校野球は大きな経験になった。チームのみんなと戦えて本当にうれしく思う」と語る一方、「全力で頑張ったんですけど勝利できなかったので(両親には)ごめんと言って、もう次のステップに切り替えて頑張るしかないなと思います。次の大学野球という舞台でもしっかりと努力して、活躍できるように頑張りたい」と、次なるステップ・大学野球での活躍を誓った。
父・佳知さんは「一生懸命、2年半頑張ってくれたと思いますし、野球人生まだまだ始まったばかりなので頑張ってほしいなと思ってます」と、アイスホッケーから野球に転向しわずか2年半で自身と同じ舞台で戦う息子を温かく見守りながら、エールを送った。
母・亮子さんは「仲間に恵まれて支えてもらって、成長させてもらった。本人はチームメートが大好きなので。野球を通じていい監督に出会って、コーチはじめ部長さん、皆さんが団結してやってきた。感謝しかないと思います」と最後の夏を全力で走りきった息子・佳亮選手を思いやった。
そして、これまで陰ながらサポートし続けてきた高校球児の母として、最後の務めは…。
「何か力になれればなと思って食事作るくらいしかできなかったんですけど、(今晩は)本人の好きなものいろいろ作って迎えたいなと思います」と話した。