大分県を襲った大雨は高校球児たちにも影響を及ぼしている。熱戦が繰り広げられている夏の甲子園大分大会。日田林工高校の野球部では被災した家の片付けなどで部員が揃わない状況が続いていた。部員の中には6年前の九州北部豪雨で自宅が被災した選手も。17日の初戦に向け、ひたむきに練習に取り組む選手たちを取材した。

6年前の九州北部豪雨で被災…

「川の音が、岩が流れる時にごろごろするが、その音を聞いて思い出した」と話すのは日田林工高校野球部の3年生後藤秋汰選手。

後藤選手は、6年前に日田市などで甚大な被害が出た九州北部豪雨で自宅が被災。当時、後藤選手は小学6年生だった。

後藤秋汰選手(当時小学6年生)
後藤秋汰選手(当時小学6年生)
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高校3年生になった後藤選手。最後の夏の大会に向け練習に励む中、日田市を再び豪雨が襲った。

「自分と同じ状況になった人がいるので、あのとき自分は辛かったので同じ辛い気持ちだと思う。学校に来ることができずに、練習もできていない人がいたので、きょう一緒に練習して顔を見合わせたので久々だと思った」(日田林工 野球部 後藤秋汰選手)

後藤秋汰選手
後藤秋汰選手

部員揃わない日も…懸命に練習

再建した自宅は大丈夫だったということだが、チームの全体練習が再開できたのは13日から。福岡から通っているチームメイトは自宅や親族の家が被災したりしていて、この日も全員は集まれなかった。

福岡から通う池田選手も自宅のすぐ前まで川の水が押し寄せたという。「自分の家が川の近くに家の前なので、結構ぎりぎりで溢れていたので怖かった」と話す。

福岡から通えるようになった選手もJRが被災し運転見合わせが続いているため、保護者が車で送迎しているということだ。

福岡から通う金丸真白選手は「いま(電車が)止まっていて母に送ってもらっているが、他の人もまだ送れない人もいて来られていない人もいるので、いち早く戻って来てくれたらと思う」と話す。

金丸真白選手
金丸真白選手

選手たちは困難な状況の中でも夢の甲子園に向けて懸命に練習に取り組んでいる。

「被災している人たちの思いも背負って闘って、被災した人たちに勇気や元気が与えられたらいいなと思う」(金丸真白選手)

また、6年前に被災した後藤選手もチームメイトを鼓舞しながら一丸となって試合に臨むと意気込んでいる。後藤秋汰選手は「声とかきびきびとした行動は誰にでもできる勇気を与えられるプレーなので、そのあたりも意識して頑張っていきたい」と話す。

日田林工の選手たちは、被災した古里への思いも胸に夢の甲子園に向けた初戦に臨む。日田林工の初戦は17日の第2試合、大分工業と対戦する。

(テレビ大分)

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