愛知県瀬戸市のごみ袋が、これまで10枚あたり180円だったのを一挙に3倍近い「500円」に値上げするかどうかが議論されたが、7月4日の市議会で「1票差」で値上げ見送りが決まった。

議場の外にも傍聴席が追加…多くの市民が見守る中の採決

4日朝、瀬戸市議会の本会議前に市役所に集まった市民たち。訴えるのは「ごみ袋の値上げ凍結」だ。

この記事の画像(7枚)

瀬戸市民A(70代):
瀬戸だけ値上げするというのはおかしい

瀬戸市民B(70代):
180円から500円。(望むのは)凍結ですね、白紙撤回になればいいけど

瀬戸市議会では2022年3月、45リットルの燃えるごみの袋を10枚180円から500円に、最大で3倍近く値上げすることを決めた。

瀬戸市では1人あたりのごみの排出量が県内で4番目に多く、ごみ袋の値上げでごみを減らすことや、ごみ処理施設の老朽化など、将来的に処理費用が増加することが見込まれているのが主な理由だ。

しかし、23年4月の市長選で、ごみ袋の値上げ凍結を公約に掲げて当選した川本雅之市長が、6月議会でごみ袋の価格を据え置く条例改正案を提出し、値上げ凍結に向けて動き出していた。

川本雅之瀬戸市長:
ちょっと瀬戸だけ不公平じゃないかって。一回ここでストップして、みんなで考えようよっていうのが狙いというか私の本心ですね

これに議会側は…。

冨田宗一議員:
今までの流れを市長がどういう風に思っているのか、本当に疑問だらけなんですけれども。長い間、議論を重ねてきたわけですよ、市民の方も皆

ごみ袋の値上げは凍結されるのか。約100人が議会の傍聴のため集まった。議場の外にも傍聴席が追加され、多くの市民がその結果を見守った。

浅井寿美議員:
値上げありきの減量政策では、市民の前向きな資源分別やごみ減量の行動変容は引き出せない

小澤勝議員:
具体的な取り組みの政策が見えない状況で、立ち止まって推移を見ていては、本市の立ち遅れが際立ち、政策の進捗は見込めないと判断させていただきます。今までの経緯を振り返り、今後の中長期の施策運営を考えるべきと思います

賛成・反対の討論の後、議長を除く25人の議員による決断。結果は賛成13、反対12のわずか1票差で「値上げの凍結」が可決された。

瀬戸市民C(50代):
市民の声が反映されてよかったなと思っています。民意を組んでくれる市長さんができてすごくうれしいですね

瀬戸市民D(80代):
本来なら値上げゼロにしてほしいんですけど、トップが変わるということはこういうことだなと。住民が動けば社会は変わっていく

瀬戸市民E(50代):
ありがたいですけど。でもそんな簡単に値上げしなくて良くなっちゃうのは、逆になんでだろうと思っちゃいます。しっかり目的があるのであれば、値上げしてもらっても仕方ないかなと

新市長が公約を果たし、2023年の議会での決定を覆す結果となった。

川本雅之瀬戸市長:
拮抗するだろうなとは思っておったんですけれども、議会の議員さんもそれぞれ信念を持って賛成・反対されたと思います。みんな思うところは、瀬戸市を良くしていきたいということと、ごみを減らしていきたいということは共通なんですよね。反対の方々の意見もしっかりと胸に刻んで、今後のごみ行政についてしっかり話し合いをしていきたい

(東海テレビ)

東海テレビ
東海テレビ

岐阜・愛知・三重の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。