5月28日(日)に行われるGⅠレース「日本ダービー」(東京競馬場 芝2400m)。

今年で節目の90回目を迎える日本ダービーは、3歳馬しか出走することができない、生涯で一度の大舞台。毎年数々のドラマを生み出し、多くのファンに感動を与え続けている。

2020年生まれのサラブレッド7708頭の頂点に立つのは、一体どの馬か。

そして、今年はどんなドラマが待っているのだろうか。

キタサンブラック産駒から渾身の2頭

キタサンブラック産駒の勢いが止まらない。去年デビューのキタサンブラック産駒は、初年度から著しい活躍を挙げている。

その代表的存在がイクイノックスだ。

昨年の日本ダービーでは2着に敗れるも、その後のGⅠ天皇賞(秋)、GⅠ有馬記念、そしてG1ドバイシーマクラシックでは負けなしで、世界ランキング1位(5月26日時点)の座に着いている。

今年の3歳馬たちは、キタサンブラック産駒の2世代目。今年の日本ダービーには、ソールオリエンスとスキルヴィングの2頭が出走する。

ソールオリエンス
ソールオリエンス
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4月16日、中山競馬場で行われたクラシック第1戦・GⅠ皐月賞。

本命馬不在の皐月賞は、前日から降り続く雨の影響もあり、混戦必至が予想される中、圧巻の活躍を見せたのがソールオリエンスだ。

ほぼ最後方でレースを進め、直線に入ると馬場の大外へと持ち出し、雨で重くなった馬場を苦にしないかのような豪脚で、一気の差し切り勝ち。

デビューから3戦無敗となったソールオリエンスは、史上8頭目となる無敗での皐月賞と日本ダービーの“2冠”達成を狙う。

また、ソールオリエンスに騎乗する横山武史騎手にとって、今回の日本ダービーは4回目の挑戦となる。

最先着したのは、2021年の2着。年度代表馬となったエフフォーリアと共に、断然の1番人気の支持を受けて、自身初となる「ダービージョッキー」の称号に挑んだ。

残り300mで先頭に立ち、そのまま逃げ切るかと思われたが、内から追い詰めたシャフリヤールにゴール板で交わされた。

4回目の挑戦となる横山武史(21年日本ダービー)
4回目の挑戦となる横山武史(21年日本ダービー)

その差はわずか10cm。

10cmに泣いたダービーから2年、横山武史騎手は無敗の皐月賞馬(=ソールオリエンス)と共に日本ダービーに挑む。

スキルヴィング
スキルヴィング

一方、遅れてきた大物・スキルヴィング。今回がGⅠ初出走となる。

デビュー戦は2着に敗れるも、2走目の未勝利戦から前走のGⅡ青葉賞まで3連勝、ここまで危なげなく勝ち上がり、生涯一度の舞台への出走権を手繰り寄せた。

3連勝の勢いのまま大舞台に立つスキルヴィングだが、「青葉賞の勝ち馬は日本ダービーで一度も勝てていない」というデータ上の大きな壁が立ちはだかる。

このジンクスを打ち破り、3歳馬の頂点に立つことはできるだろうか。

右肩上がりの活躍を見せるキタサンブラック産駒の大物2頭(ソールオリエンス、スキルヴィング)が、今年の日本ダービーを盛り上げそうだ。

“テン乗り”からの大逆襲

“テン乗り”とは、その馬に初めて騎乗することであり、馬と騎手が初コンビを組む際に使われる言葉。

日本ダービーという大舞台では、テン乗りは非常に相性が悪い。

1954年以降、テン乗りの騎手が騎乗した馬は、69年もの間、日本ダービーで勝てていない。また、テン乗りでダービーを制した馬は、わずか3頭しかいない。

タスティエーラ
タスティエーラ

そんな中、皐月賞でソールオリエンスに敗れたタスティエーラとファントムシーフは、ともに“テン乗り”で大逆襲を狙う。

ダミアン・レーン騎手
ダミアン・レーン騎手

皐月賞2着のタスティエーラは、短期免許で来日中のオーストラリアの若き名手、ダミアン・レーン騎手(JRAGⅠ通算4勝)との初コンビ。

ファントムシーフに騎乗するのは武豊騎手
ファントムシーフに騎乗するのは武豊騎手

皐月賞3着のファントムシーフの鞍上は、昭和・平成・令和の3つの元号でダービージョッキーに輝き、ダービー歴代最多の6勝を挙げる武豊騎手。

なお武豊騎手は、昨年の日本ダービーをドウデュースで制しており、史上初となる2度目のダービー連覇と、前人未踏のダービー7勝の偉業がかかっている。

2022年の日本ダービーを制した武豊騎手
2022年の日本ダービーを制した武豊騎手

タスティエーラとファントムシーフは、“テン乗り”が功を奏し、皐月賞の雪辱を果たすことができるだろうか。

福永祐一と日本ダービー

天才と呼ばれた元JRA騎手の福永洋一を父にもつ、福永祐一さん。

1996年にJRA騎手としてデビューし、通算勝利数2636勝、GⅠ通算勝利数34勝(1999年桜花賞でGⅠ初勝利)という成績を残し、今年2月に引退。

現在は調教師として競馬界と関わっている。

福永祐一
福永祐一

福永調教師はデビューから2連勝で鮮烈なスタートを飾るも、「ダービージョッキー」の称号を得るまでには長い道のりを歩んだ。

日本ダービーに初挑戦したのは、デビューから2年後の1998年。着順は14着。

2018年の日本ダービーを制した福永祐一
2018年の日本ダービーを制した福永祐一

そこから19回目の挑戦となった2018年、ワグネリアンでようやくダービーを制し、父・洋一さんも手にすることのできなかった「ダービージョッキー」に輝いた。

2020年、2021年にも勝利し、史上3人目となるダービー連覇を果たし、4年間でダービー3勝という快挙を達成した。

福永調教師にとって、日本ダービーとは「騎手人生を変えてくれたもの」だという。

福永祐一に聞く!第90回日本ダービー

その日本ダービーを、今年はどんな思いで見つめるのだろうか。

注目は、「横山武史騎手が初のダービージョッキーとなれるのか」だと明かす。

2021年の日本ダービー、断然の人気を背負いエフフォーリアに騎乗した横山武史騎手の夢を、あと少しのところで打ち砕いたのが福永調教師。

その福永調教師が注目するのが、横山武史騎手が4回目のダービー挑戦で初のダービージョッキーとなれるのか、である。

そして、皐月賞で圧巻の強さを魅せたソールオリエンスの走りと、打倒ソールオリエンスに燃える他のジョッキーの騎乗にも注目を置いているという。

いよいよ今週末は日本ダービー、年に一度の競馬の祭典を楽しもう。

日本ダービーについて語ってくれた福永祐一調教師は第90回日本ダービーを中継する『みんなのKEIBA』(5月28日14時40分~16時)に生出演。長澤まさみさんと見上愛さんも生出演する。

みんなのKEIBA 日本ダービー・GI5月28日(日)14時40分から拡大生中継https://www.fujitv.co.jp/sports/keiba/index.html 

みんなのKEIBA
みんなのKEIBA

フジテレビスポーツ局が制作する競馬情報番組。毎週・日曜日午後3時より放送中。番組MC:DAIGO/佐野瑞樹/竹俣紅 解説者:井崎脩五郎/細江純子 ※放送時間は変更される場合があります