がれきと化した、ウクライナの街に響くバイオリンの音色。
この記事の画像(12枚)奏でるのは、ウクライナ人のバイオリニスト、イリア・ボンダレンコさんです。
この動画は、2022年4月、戦況が厳しくなってきた中で、反戦を訴えるためにYouTubeに投稿されました。説明文にはには「Thank you Maestro Ryuichi Sakamoto(偉大な音楽家 坂本龍一 ありがとう)」の文字が。
実はイリアさんが奏でていたのは、今年3月に亡くなった、音楽家・坂本龍一さんが、イリアさんに送った曲なのです。
きっかけは、イリアさんが2022年の3月に投稿した、世界のバイオリニストと共演し、反戦を訴える動画でした。
動画を見た坂本龍一さんは、イリアさんにこんなメッセージを送ったといいます。
バイオリニスト イリア・ボンダレンコさん:
坂本さんから「私はウクライナを支援するために何か曲を書きたいと考えています」とメールが届いたのです。それを見て、私は驚きました。
送られてきた曲のタイトルは、「Piece for Illia(イリアのための曲)」。
4月28日、51日ぶりに攻撃を受けたウクライナの首都キーウ。
各地で被害が相次ぎ、5人の子どもを含む25人が死亡するなど、ウクライナは悲しみに包まれました。
攻撃があった2日後の4月30日、「めざまし8」に、イリアさんから、新しい映像が届いたのです。
攻撃によって崩壊していく街で見つけたという、小さな音楽室で「Piece for Illia」を演奏するイリアさん。
それは、坂本さんが亡くなってから、初めての演奏でもありました。
バイオリニスト イリア・ボンダレンコさん:
この曲を演奏することで、戦争とは何かを伝えることができると思ったのです。私は人生の終わりまで、坂本さんに感謝をし続けると思います。
(めざまし8 5 月5日放送)